この記事でわかること
- 週休3日制を望む理由として最も多く挙げられているのが「休息」であること
- 増えた1日の使い道を決めないまま転職すると、期待した変化が起きにくくなる場合があること
- 「いくら減るか」ではなく「いくらまでなら減らせるか」から考える手順
- 転職を決める前に、いまの職場で週4に近い状態を試してみる方法
週4勤務に転職したい。そう思いながら、まだ求人を本気で探せていない。その理由を聞かれると、うまく説明できない気がして口ごもってしまう。そんな状態で止まっている方は、少なくないと思います。
けれど、週休3日制を望む方の理由を調べた調査では、通院や介護よりも「休息」を挙げた方のほうが多いという結果が出ています。「休みたい」という理由で、まったく構いません。
この記事では、理由を正当化する方法ではなく、その先の話をします。増えた1日を何に使うのかと、収入をどこまで減らせるのか。この2つを求人を見る前に決めておくと、判断がぶれなくなります。
週4勤務を望む理由は、「休みたい」で構わない
週4にしたいと言うとき、何か納得してもらえる事情が必要な気がしてしまいます。通院、介護、学び直し。そういうものがないと、わがままだと思われるのではないか。でも実際の数字を見ると、その前提は少し違っていました。
最も多い理由は「休息の時間を増やしたい」
厚生労働省の「令和6年度『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査」では、選択的週休3日制を利用してみたいと答えた2,267人に、その理由を聞いています(複数回答)。上位に並んだのは、次のような項目でした。数値の詳細は調査報告書(PDF)で公開されています。
- 01
休息の時間を増やしたい(67.8%)
最も多い理由です。何かをするためではなく、休むために日数を減らしたいという方が、3人に2人を超えています。
- 02
趣味の時間を増やしたい(52.7%)
2番目も、義務ではなく自分のための時間でした。半数を超える方が挙げています。
- 03
通院・治療(10.2%)/看護・介護(5.3%)
「事情がある方」の代表例として思い浮かびやすい理由ですが、実際の割合は上位2つと大きく離れています。
ほかに、家族と過ごす時間を増やしたい25.7%、運動・スポーツ23.2%、自己啓発14.9%、副業・兼業14.4%、育児12.7%と続きます。つまり、通院や介護よりも、休息や趣味を理由に挙げる方のほうが多いということです。
数字を読むときに、2点だけ補足させてください。ひとつは複数回答であることです。ひとりが休息と介護の両方を選べるので、「介護を挙げた方が5.3%だから、残りの方には介護の事情がない」とは読めません。もうひとつは、この調査でいう選択的週休3日制には、1日の労働時間を延ばして週の総労働時間と給与を維持する形も含まれることです。8時間×4日だけを指した数字ではない、という前提で見てください。
説明できる理由がないことは、動機が弱いことではない
「休みたいから」という理由は、口に出すと軽く聞こえます。誰かに説明するとき、もっとちゃんとした事情を用意しなければと感じるのは、そのためだと思います。
けれど、休息を必要としている状態は、それ自体が事情です。5日連続で働くことが積み重なって、回復が追いつかなくなっている。その感覚は、外から見えないだけで、通院の予定と同じように実在します。
週4を検討することを、自分に許可してよいということです。理由の重さで判断するのをやめると、次の問いに進めます。では、その1日で何をするのか。ここからが、実際に考える価値のある部分です。
増えた1日が、平日の用事で埋まることがある
ここから先は調査結果ではなく、編集部が整理した見方です。休みが1日増えたのに思ったほど楽になった気がしない、ということが起こり得ます。その1日が別の用事で埋まってしまう場合があるからです。
平日に1日空くと、これまで週末にまとめてやっていたことが、そこへ移動してくることがあります。買い物、掃除、役所や病院の手続き、家族の予定。平日にしかできない用事は多く、空いた時間はそれらを吸い込みやすくなります。結果として、週末の負担は減ったけれど休息そのものは増えていない、という状態も起こり得ます。
これは失敗ではありません。用事が平日に移ること自体は、多くの場合ありがたい変化です。ただ、もともと欲しかったのが「休息」だったなら、その1日の使い道は先に決めておく必要があります。何時から何時までは何もしない、と決めてしまうくらいでちょうどよいと思います。
使い道が決まっていないうちは、収入をいくらまで減らしてよいかも決められません。何のために払うのかがわからないまま、金額だけ先に決めることはできないからです。
減らせる収入の上限を、求人を見る前に決める
週4の求人を探し始めると、条件のよいものから順に目移りします。そのとき判断の軸になるのは、収入がいくら下がるかではなく、自分がいくらまでなら下げられるかです。順番を逆にすると、求人のほうに基準を合わせてしまいます。
「いくら減るか」から考えると、判断がぶれる
求人を見て「年収が80万円下がる」と知ると、その数字が大きいのか小さいのかを、その場で判断することになります。けれど基準を持たないまま眺めると、判断はそのときの気分に左右されます。疲れている日は受け入れられる気がして、余裕のある日は惜しくなる。
先に自分の上限を決めておけば、この揺れがなくなります。「月4万円までなら減らせる」と決めてあれば、目の前の求人がその範囲に入るかどうかを見るだけで済みます。感情ではなく、あらかじめ決めた数字で判断できるようになります。
もうひとつの効果は、探す時間の節約です。条件に合わない求人を早い段階で外せるので、迷う対象そのものが減ります。週4の求人はもともと数が限られているため、これは実務的にも意味があります。
生活に必要な下限を、3つに分けて書き出す
上限を決める手順は、引き算ではなく足し算です。いまの収入から何割引けるかを考えるのではなく、必要な金額を積み上げていきます。
- 01
動かせない支出
家賃や住宅ローン、光熱費、通信費、保険料、返済など。金額が決まっていて、来月すぐには変えられないものです。
- 02
積み立てておきたい額
貯蓄や将来のための準備です。ここをゼロにして計算すると数字は楽になりますが、あとで無理が出ます。減らすとしても、いくらまでなら許容できるかを決めておきます。
- 03
自分のために使う額
食費や日用品のほか、休息のために必要な費用もここに入ります。週4にする目的が休息なら、その時間を過ごすためのお金を削ってしまうと本末転倒です。
HINT
3つを足して、いまの手取りから引いてみる
出てきた金額が、あなたが減らせる上限です。その数字を見たとき、思っていたより余裕がありましたか。それとも、想像より少なかったでしょうか。どちらだったかで、次に確かめるべきことが変わってきます。
余裕が思ったよりあったなら、週4は現実的な選択肢です。逆に想像より少なかったなら、勤務日数を減らす前に支出の側を見直すか、日数ではなく1日の時間を短くする方法のほうが合っているかもしれません。1日の時間を減らす選択については、時短勤務を選んだときのキャリアの考え方もあわせてご覧ください。
決めた金額を、求人を選ぶ条件に置き換える
上限が出たら、それを求人票と照らせる形に直します。「月4万円まで減らせる」だけでは、求人を見たときに判断できません。
たとえば、いまの手取りが月28万円で、必要額の合計が24万円だったとします。減らせるのは月4万円です。
ただし、求人票に書かれているのは手取りではなく額面(総支給額)です。そのため、決めた手取りの下限を額面に換算しておく必要があります。手取り額は社会保険料や税、扶養の状況などによって変わるので、一律の割合では出せません。いまの給与明細を開いて「額面に対して手取りが何%か」を計算し、その比率を使って逆算するのが確実です。手取り24万円を確保したいなら、額面でいくら必要かまで出しておく。ここまでやって、はじめて求人票と照らせます。
そのうえで、条件を2段階に分けておくと運用しやすくなります。必ず満たしてほしい条件と、できれば満たしたい条件を分けるということです。たとえば「週4勤務であること」「手取り24万円に相当する額面以上であること」「社会保険に加入できること」を必須にし、「休みの曜日を固定できる」「通勤時間が短い」を希望に置く。こうしておくと、条件を全部満たす求人が見つからないときでも、どこを譲るかを迷わずに決められます。
なお、雇用形態そのものを変えると、収入の計算に賞与や退職金の扱いも関わってきます。その場合の考え方は、正社員からパートへ切り替える場合の収入と社会保険の変化で整理しています。
転職を決める前に、小さく試してみる
ここまでで、1日の使い道と、減らせる金額の上限が出ました。次にできるのは、転職という大きな決断の前に、その仮説が正しいかどうかを確かめることです。
いまの職場で、週4に近づける余地がないか調べる
転職以外の道があるかどうかは、先に確かめておく価値があります。勤続年数や社内での評価、人間関係、退職金の積み上がりを維持したまま働き方を変えられるなら、そのほうが失うものは少なくて済みます。
調べる順番は、就業規則、社内の人事制度のページ、そして人事や上司への確認です。「週休3日制」という名前がなくても、短時間正社員制度や勤務時間限定の区分が用意されている場合があります。育児や介護以外の理由でも使えるかどうかは、規程を読んでみないとわかりません。
ただし、制度が用意されている会社は多くありません。厚生労働省の同じ意識調査では、選択的週休3日制を導入していると答えた企業は3,234社中1.0%でした。見つからなくても、それはあなたの会社が特別に遅れているという意味ではありません。あくまで確認しておく、という程度に構えておいてください。
有給を使って、「1日休み」を体感してみる
制度が使えなくても、試す方法はあります。年次有給休暇を、同じ曜日に何度か取ってみることです。
年次有給休暇をいつ取るかは、原則として働く側が決められます。使用者の承認が必要な仕組みではないことは、厚生労働省の年次有給休暇の解説ページにも示されています。ただし、その日に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が別の日への変更を求められる(時季変更権)とされています。希望どおりの日に必ず休めるとは限らない、という点だけ押さえておいてください。ばらばらの日に取るのではなく、たとえば水曜日を数回続けて休んでみる。そうすると、週の真ん中で切れることの効果がわかります。木曜と金曜の疲れ方が変わるのか、それとも変わらないのか。1日空いたその日を、実際にどう過ごしたのか。
ここで確かめたいのは、欲しかったのが本当に「まとまった1日」だったのかどうかです。1日休んでも疲れが抜けないなら、必要なのは日数ではなく、1日あたりの負荷を下げることかもしれません。逆に「水曜を休むだけで木金がまるで違った」と感じたなら、収入を減らしてでも週4にする価値は、あなたにとって高いということになります。
試した結果で、答えが変わってもいい
試してみた結果、週4にしなくてもよいという結論になることもあります。それは後退ではありません。転職してから気づくより、はるかに損失が小さい形で答えが出たということです。
実際、休息が足りない原因が勤務日数ではなく、残業時間や通勤時間や、業務内容そのものにあることもあります。その場合は日数を減らしても解決しません。「週4にしたい」という願いは、しばしば別の問題の入口になっています。
反対に、試したうえで気持ちが変わらなかったなら、その判断はかなり確かなものになっています。理由も、金額の上限も、1日の使い道も、自分の言葉で説明できる状態になっているはずです。そこまで来ていれば、求人を探し始めるタイミングです。働き方の選択肢を広げる方向として、パートから正社員をめざす場合の進め方のように、逆向きの移り方を知っておくことも判断の助けになります。
media.MOREARIAでは、自分の歩幅で働き方を選び直した方たちの物語を届けています。誰かの正解をなぞるのではなく、自分の条件を確かめながら次の一歩を決めていく。そんな記録が、同じ場所で迷っている誰かの参考になればと考えています。
週4勤務への転職を考えるときのよくある質問
週4勤務にするかどうかを迷う段階で、多く寄せられる疑問をまとめました。
「休みたいから」という理由で週4を希望してもいいのでしょうか?
構いません。厚生労働省の調査では、選択的週休3日制を利用したいと答えた方の理由として最も多かったのが「休息の時間を増やしたい」で67.8%でした。通院・治療は10.2%、看護・介護は5.3%です。通院や介護より、休息を理由に挙げる方のほうが多いという結果になっています(複数回答)。
減らしてもいい収入の金額は、どう決めればいいですか?
いまの収入から何割引けるかではなく、必要な金額を積み上げて考えます。動かせない支出、積み立てておきたい額、自分のために使う額の3つを足し、いまの手取りから引いてください。残った金額が、減らせる上限になります。
転職せずに週4を試す方法はありますか?
年次有給休暇を同じ曜日に何度か続けて取ってみる方法があります。週の真ん中で1日空けたときに疲れ方がどう変わるか、その1日をどう過ごしたかを確かめられます。あわせて、就業規則に短時間正社員制度などが用意されていないかも調べておくとよいと思います。
まとめ|週4勤務は、金額を決めてから探し始める
週4にしたい理由を正当化する必要はありません。決めておくべきなのは、理由の重さではなく、増えた1日の使い道と、減らせる金額の上限です。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
週休3日制を望む理由の最多は「休息の時間を増やしたい」で67.8%。通院10.2%、介護5.3%より多く挙げられている(複数回答)
増えた1日は平日の用事で埋まることがある。休息が目的なら、使い道を先に決めておく
「いくら減るか」ではなく「いくらまでなら減らせるか」を先に決める。動かせない支出・積み立て・自分のために使う額の3つを足し、手取りから引く
転職を決める前に、有給を同じ曜日に数回取って「1日休み」を体感してみる。試した結果で答えが変わってもいい
まずは、来月の水曜日をひとつ選んで、有給を申請してみる。その日をどう過ごしたかを覚えておく。それだけでも、あなたの選択は「なんとなくの願い」から「確かめた実感」に変わります。あなたの心地よい一歩を、応援しています。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査報告書」(2025年3月)
SUPERVISED BY
akina
MOREARIA 代表 / 編集長
MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。
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