やりたいことがわからない社会人へ|女性が最初に切り分ける4つの状態

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やりたいことがわからない社会人へ|女性が最初に切り分ける4つの状態

やりたいことがわからないのは、探し方が足りないからとは限りません。 「わからない」を4つに分けたとき、次にやることが見えてきます。

2026-8-15

やりたいことがわからない社会人へ|女性が最初に切り分ける4つの状態

この記事でわかること

  • 「やりたいことがわからない」は4つの状態に分けられ、それぞれ必要な行動が違うこと
  • 目指すべきキャリアがわからないと答えた方の割合と、そこにある男女の差
  • 会社を辞めずに、働きながら判断材料を増やす具体的な方法
  • 決めるときに使う、3つの最低条件の立て方

やりたいことがわからない。社会人になって数年が過ぎ、女性としてこの先の働き方を考えるほど、その言葉が重くなっていく。そんな感覚はありませんか。自己分析の本を読み、適職診断を試し、それでも答えが出ないまま何か月も過ぎている。

けれど、答えが出ないのは、あなたの掘り下げ方が浅いからとは限りません。「やりたいことがわからない」という一言の中には、性質のまったく違う状態がいくつも混ざっています。混ざったまま考えているから、どれだけ考えても出口が見えないのかもしれません。

この記事では、その「わからない」を4つの状態に切り分けます。そのうえで、会社を辞めずに判断材料を増やす方法と、決めるときに使う基準までをお伝えします。探すのをやめる必要も、今すぐ結論を出す必要もありません。

「やりたいことがわからない」を4つの状態に切り分ける

最初にやることは、やりたいことを探すことではありません。自分が今どの状態にいるのかを見分けることです。同じ「わからない」でも中身が違えば、次に取るべき行動はまったく変わります。

厚生労働省が2026年7月31日に公表した令和7年度「能力開発基本調査」に、その状態を示す数値があります。自己啓発に取り組んだ正社員のうち、進めるうえで何らかの問題があると答えた方に内訳を聞いたところ、「自分の目指すべきキャリアがわからない」を挙げた女性は26.5%でした。同じ設問で男性は16.2%です。

そもそも問題があると答えた割合自体も、女性正社員は85.5%、男性正社員は81.2%となっています。学ぼうと動き出した方の中でも、その先の方向が見えないと感じている割合は、女性のほうが高いという結果でした。

理由まではこの調査からはわかりません。ただ少なくとも、行き詰まっているのがあなただけではないことは、数字がはっきり示しています。

ここから示す4つの状態は、行政が定めた公式な分類ではありません。公表資料や相談事例をもとに、編集部が整理したものです。

  • 01

    判断材料が足りていない状態

    気になる職種の1日の流れを説明できない。今の会社以外で働いた経験がほとんどない。この場合、内側をどれだけ掘っても、比べる相手がいません。

  • 02

    選択肢はあるのに決められない状態

    候補が2つ以上あり、長所と短所を何度も比べている。情報を足すほど候補が増えていきます。足りないのは情報ではなく、決めるための条件です。

  • 03

    仕事ではなく環境が合っていない状態

    嫌なのは職種そのものより、上司との関係や勤務時間、評価のされ方かもしれません。同じ職種でも場所が変われば続けられそうなら、この状態に近いといえます。

  • 04

    消耗して考えられない状態

    休みの日も気力が戻らず、以前は好きだったことにも関心が向かない。この状態で出てくる「何もやりたくない」は、あなたが本来望んでいることを正確に映しているとは限りません。

自分がどの状態に近いかを見分ける4つの質問

切り分けるために、次の4つに答えてみてください。答えが出ない質問があっても構いません。答えられなかったこと自体が、そのまま手がかりになります。

1つ目は、今の仕事を続けたくない理由を3つ挙げられますか。挙げられないなら、まだ言葉になっていないだけかもしれません。3つ出てきたなら、その3つが職種の話なのか、職場の話なのかを見てください。上司、勤務時間、評価など職場の話に寄っているなら、03に近くなります。

2つ目は、気になる働き方や職種が1つでもありますか。1つもないなら01、2つ以上あって選べないなら02です。ここは正直に数えてください。「なんとなく気になる」程度でも1つに数えて構いません。

3つ目は、今の会社で何かが変われば続けられそうですか。「担当業務が変われば」「今の体制でなければ」と具体的に浮かぶなら、会社を辞める以外の選択肢がまだ残っています。

4つ目は、仕事以外のことには関心が向いていますか。休日に会いたい方がいる、観たい映画がある、行きたい場所がある。そうしたものにも気持ちが動かない状態が続いているなら、04として扱ってください。

04に近いと感じたときに、先に確かめてほしいこと

4つ目の質問で手が止まった方に、伝えておきたいことがあります。

強い疲れが続いているとき、「何もやりたくない」と感じることがあります。これはキャリアの問題ではなく、消耗のサインとして現れる場合があります。その状態で出した結論は、体力が戻ったあとの自分とは違う答えになることもあります。

つまり、04に近いときにまずやることは、進む方向を決めることではありません。判断ができる状態に戻ることです。仕事量を調整する、休みを取る、誰かに話す。順番としては、そちらが先になります。

仕事の負担や気持ちのつらさを相談したい場合、厚生労働省が運営する「こころの耳」という働く方向けのサイトがあります。電話やメール、SNSでの相談窓口が案内されています。キャリアの相談とは目的が違うので、混同せずに使い分けてください。

なお、自己分析そのものの進め方を先に確認したい場合は、社会人向けに手順を整理した記事も用意しています。ただし、この記事を読み終えるまでは、いったん保留にしておいてもいいかもしれません。理由は最後の章でお伝えします。

会社を辞めずに、判断材料を増やす

状態がわかったら、次にやることは決断ではなく確認です。在職中は収入を保ったまま試せるので、実は判断材料をいちばん集めやすい時期でもあります。

ここで目的を取り違えないでください。集めるのは「やりたいこと」ではなく、「今持っている想像が、現実と合っているかどうか」です。企画職が合いそうだと思うなら、企画職が実際に週の何割を資料づくりや調整に使っているのかまで確かめる。そこまで行って、はじめて判断材料になります。

まず会社の中で確認できること

転職サイトを開く前に、社内を見てください。先ほどの令和7年度「能力開発基本調査」では、事業所側の取り組みも調べられています。

働く方の主体的なキャリア形成に向けて実施した取り組みとして最も多かったのは、「上司による定期的な面談の実施」で69.8%でした。1on1ミーティングなどがこれにあたります。ただしこれは事業所を単位に数えた割合なので、あなたの職場にそのままあてはまるとは限りません。企業の規模や業種によっても差があります。それでも、面談の機会そのものは珍しい仕組みではない、とはいえます。

一方で、「社内公募制等の労働者の意向を重視した人員配置」を実施した事業所は22.0%にとどまりました。面談の機会は多くの職場にあるけれど、手を挙げて動ける制度まで揃っているとは限らない、ということです。

だからこそ、まず調べる価値があります。社内ポータルで「異動」「社内公募」「キャリア面談」「職種転換」の4語を検索してみてください。10分で終わります。制度があるとわかれば選択肢が増え、なければ「この会社では社内で動くのは難しい」という判断材料が1つ増えます。どちらに転んでも収穫があります。

上司との面談があるなら、そこで伝える内容も変えられます。「やりたいことがわかりません」と相談するのではなく、「この業務を1つ試してみたい」と具体的に伝えてみてください。抽象的な相談より、相手も動きやすくなります。

会社の外で確認できること

社外で確かめる方法もあります。応募が目的ではないので、身構える必要はありません。

厚生労働省が運営する「job tag」という職業情報のサイトでは、職業ごとの仕事内容や求められる知識・スキル、就く方法などを調べられます。求人票よりも中立的な情報が載っているので、01の「判断材料が足りていない状態」にはよく効きます。

もう1つが、公的なキャリアコンサルティングです。全国47か所のキャリア形成・リスキリング支援センターと、ハローワークに設置された相談コーナーでは、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを無料で受けられます。対面でもオンラインでも利用できます。

ここで大事なのは、転職すると決めた方だけの窓口ではないという点です。職業生活の設計や職業能力の開発について相談でき、対話を通して自分の強みや価値観を整理する使い方も案内されています。方向が決まっていない段階でも使えます。

ただし限界もあります。相談コーナーで在職中の方が受けられるのは、無料で原則1回とされています。何度も通って伴走してもらう仕組みではありません。1回で持ち帰るものを決めてから行くほうが、結果的に得られるものは多くなります。

申し込むこと自体に抵抗がある場合は、キャリアコンサルタントがアバターの姿で話を聞く「プレキャリコン」という入口も用意されています。同じサイトには興味診断、スキルチェック、価値観診断という無料の自己診断も置かれています。

  • 01社内ポータルで「異動」「社内公募」「キャリア面談」「職種転換」を調べる
  • 02上司との面談で、試してみたい業務を1つ伝える
  • 03他部署の方に30分、仕事の中身を聞く
  • 04job tagで、気になる職業の実際の仕事内容を読む
  • 05無料のキャリアコンサルティングを1回受ける
  • 06求人を10件読み、共通して出てくる業務を5つ書き出す

この6つを一度にやる必要はありません。1か月に2つか3つ進むだけでも、3か月後には手元の材料がまるで変わっています。

とくに06は、応募しないからこそ意味があります。10件を並べて共通する業務を書き出すと、その職種が実際に何をしている仕事なのかが見えてきます。求人を眺めて終わるのと、書き出して比べるのとでは、残るものが違います。

自分がすでに持っているものを整理したい場合は、強みの棚卸しの手順をまとめた記事も参考にしてみてください。ここまで読んで「自分には何もない」と感じた方ほど、目を通す価値があります。

決めるときは「やりたいか」ではなく、譲れない条件で判断する

材料が集まったら、いよいよ判断です。ここでもう一度、基準を確認してください。やりたいかどうかだけで決めようとすると、判断が難しくなることがあります。

理由はシンプルです。「絶対にやりたい」と言い切れる仕事は、そもそもめったに現れないからです。その基準で待ち続けると、判断はいつまでも先送りになります。

代わりに使うのが、譲れない条件です。以下の考え方は公的な基準ではなく、編集部が整理したものとして読んでください。

3つの最低条件を先に決める

決めるのは3つだけです。多すぎると、どの候補も満たさなくなります。

1つ目は、維持したいもの。年収、勤務地、休日、通勤時間など、今ある中で手放したくないものを1つ選びます。すべて維持しようとすると選択肢がなくなるので、いちばん大事な1つに絞ってください。

2つ目は、減らしたいもの。残業、対人折衝、通勤、責任の重さなど、今つらいと感じているものを1つ選びます。ここが今回動く理由そのものになります。

3つ目は、許容できないもの。転居を伴う異動がある、年収が2割下がる、土日出勤があるなど、それがあるだけで候補から外すものを1つ決めます。

この3つが決まると、候補を見る目が変わります。「なんとなく良さそう」で迷っていたものが、条件に照らして自動的に外れていきます。逆に、3つを満たしている候補が出てきたなら、そこには「やりたいと言い切れなくても試す価値がある」と判断できます。

条件で選ぶことに、後ろめたさを感じる必要はありません。同じ調査では、働く方が相談したい内容の最も多かったものは「将来のキャリアプラン」で59.9%、次が「仕事に対する適性・適職」で45.3%でした。相談したいこととして、方向や向き不向きが上位に挙がっているということです。

判断が止まりやすい3つのパターン

最後に、動きが止まりやすいパターンを挙げておきます。

1つ目は、自己分析の道具を増やし続けることです。強み診断を試し、適職診断を試し、価値観診断を試す。出てくる結果が似てきたなら、そこから先に新しい情報が増える可能性は高くありません。何回やればよいという決まった基準があるわけではありませんが、編集部としては、2種類ほど試して共通点が見えた時点でいったん区切ることをおすすめしています。そのうえで、次は外側の行動を1つ挟みます。自己分析を1回したら、求人を10件読む。そのくらいの割合で交互に進めるほうが、材料は増えやすくなります。

2つ目は、一生続けられる仕事を選ぼうとすることです。30代で選んだ仕事を60代まで続ける前提で考えると、確かめようのないことが多すぎて決められません。決めるのは次の3年から5年で何を得たいかまでで十分です。専門を1つ持つ、働く時間を減らす、年収を一定額まで上げる。そのくらいの粒度に縮めてください。

3つ目は、「辞めたい」と「別の仕事をしたい」を同じものとして扱うことです。この2つは別です。職場から離れたいのなら転職か異動、仕事の中身を変えたいのなら職種転換、働くこと自体への気力が落ちているのなら負担の調整が先になります。混ぜたまま考えると、どの打ち手も中途半端になります。

もう1つ覚えておいてほしいのは、転職活動を始めることと、会社を辞めることは別の意思決定だということです。求人を見ても、応募しても、面接を受けても、辞めると決めたことにはなりません。ここを分けておくだけで、動き出すハードルはかなり下がります。

なお、「続けられること」を軸に仕事を選ぶ考え方については、別の記事で詳しく扱っています。条件で選ぶことに迷いが残る方は、あわせて読んでみてください。

MOREARIAでは、迷いながら次の一歩を選んできた女性たちのインタビューを掲載しています。最初から明確な答えを持っていた方ばかりではありません。わからないまま動いた先で見つけたものを語る物語が、あなたの判断材料の1つになるかもしれません。

挑戦する人たちの物語を読む

やりたいことがわからない社会人女性のよくある質問

ここまでの内容で残りやすい疑問を、3つにまとめました。

やりたいことがわからないまま転職しても大丈夫でしょうか?

条件がはっきりしているなら、判断はできます。維持したいもの、減らしたいもの、許容できないものの3つが決まっていれば、「やりたい」と言い切れなくても候補は選べます。逆に、この3つが曖昧なまま動くと、転職先でも同じ迷いが出やすくなります。

自己分析は何回くらいやればいいですか?

決まった回数はありません。ただ、2種類ほど試して結果に共通点が見えたら、いったん区切って構いません。同じような答えが続くのは、内側から取れる情報が出尽くしているサインです。そこから先は、実際の職業情報を読む、経験者に聞くなど、外側から材料を足すほうが進みやすくなります。

転職すると決めていなくても、キャリアの相談をしていいのでしょうか?

できます。厚生労働省のキャリア形成・リスキリング支援センターなどでは、在職中の方も無料でキャリアコンサルティングを受けられます。方向を整理したい段階での利用も案内されています。ただし相談コーナーでの相談は原則1回とされているので、聞きたいことを決めてから申し込むと使いやすくなります。

まとめ|やりたいことがわからないままでも、次の一手は決められる

やりたいことを見つけることと、次の一手を決めることは、別の作業です。前者が終わらないと後者に進めないわけではありません。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。

  • 「わからない」は4つの状態に分けられる。材料不足、選べない、環境が合わない、消耗している

  • 在職中は収入を保ったまま試せるので、判断材料を集めやすい時期でもある

  • 社内で動ける範囲を先に調べる。面談の機会は7割の事業所にあるが、社内公募は2割

  • 決めるときは、維持したいもの、減らしたいもの、許容できないものを1つずつ

今日できることは、社内ポータルで4語を検索することです。10分あれば終わります。制度があってもなくても、あなたの手元には昨日までなかった材料が1つ増えます。答えが出ていなくても、動かせるものはあります。あなたの歩幅で進む一歩を、応援しています。

参考資料

  • 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag」
  • 厚生労働省「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

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akina

MOREARIA Inc. 代表 / MOREARIA編集長

MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。

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