女性のキャリア相談は無料でできる?公的窓口の探し方と利用方法

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女性のキャリア相談は無料でできる?公的窓口の探し方と利用方法

無料だと知って予約した人の多くが、当日になって「何を話せばいいか」で止まります。国の窓口は原則1回、60分だけ。その60分を、迷って終わらせないための準備を先にしておきます。

2026-9-4

女性のキャリア相談は無料でできる?公的窓口の探し方と利用方法

この記事でわかること

  • 女性が無料でキャリア相談を受けられる公的な窓口と、その探し方
  • 働きながら使える時間帯の違いと、拠点より先に時間帯を決める理由
  • ジョブ・カードをどこまで埋めれば60分を使い切れるか
  • 結婚・出産などのライフイベントを相談テーマにしてよい根拠

キャリア相談を無料で受けられる場所は、実際にあります。国が設けている窓口なら、在職中の女性でも費用はかかりません。検索してここまでたどり着いた時点で、その答えはもう目にしているかもしれません。

それでも予約ボタンを押せずにいるとしたら、理由はたぶん「無料かどうか」ではありません。平日の昼間に抜けられるのか、何を話せばいいのか、転職するとまだ決めていないのに行っていいのか。決まっていないことが多いままでも、相談そのものは受けられます。

国の窓口は原則1回、時間は60分です。この記事を読み終えたとき、自分が行ける窓口と時間帯が1つ決まり、当日いちばん聞きたいことが手元に書けている状態になります。

無料で受けられるのは、どこの窓口か

無料のキャリア相談と一口に言っても、運営しているところは1つではありません。ここでは、費用が発生しない代表的な窓口を確認します。

先に一つだけ数字を置きます。厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」(個人調査・調査対象20,127人)によると、令和6年度にキャリアコンサルティングを受けた正社員は14.8%、労働者全体では12.1%でした。相談を受けたことがある人は、まだ少数派です。周りに経験者がいなくて情報が入ってこないのは、珍しいことではありません。

国の窓口は、在職中の人も対象になっている

厚生労働省の委託事業として、キャリア形成・リスキリング支援センター及び相談コーナーが設置されています。全国47か所の支援センターと、全国のハローワーク内の相談コーナーが窓口です。

対象は在職労働者と求職者です。仕事を辞めていなくても、辞めるつもりがなくても使えます。学生は対象外で、学内のキャリアセンターを案内されます。

相談は1回60分、対面またはオンラインを選べます。マイジョブ・カードの在職者向けページには、この相談について「無料・原則1回」と明記されています。

ここで押さえておきたいのは、原則1回という点です。基本的には1回の利用を前提とした制度です。だからこそ、当日にその場で考え始めるのではなく、聞きたいことを1つか2つに絞ってから行くほうが、60分を使い切れます。

職業紹介は行わない。求人をもらう場所ではない

この事業のキャリアコンサルティングでは、職業紹介を行わないことが明記されています。つまり、相談したからといって求人を紹介されることはありません。

これは物足りない仕様に見えるかもしれませんが、逆の見方もできます。転職するかどうかを決めていない段階では、求人を出されないほうが話を整理しやすいことがあります。「まず求人を見てみましょう」と言われずに済む構造になっている、ということです。

反対に、応募できる求人や年収の相場をいますぐ知りたいのであれば、この窓口は向いていません。その場合は求人を持っている窓口を選ぶことになります。目的別に相談先を比べたいときは、女性のキャリア相談先の選び方を先に見ておくと、窓口の種類が整理できます。

自分の都道府県に窓口があるかを確かめる

支援センターは47か所、つまり各都道府県に置かれています。加えて、ハローワーク内にも相談コーナーがあります。確認の手順は3つです。

  • 01

    申込ページを開く

    キャリア形成・リスキリング推進事業のサイトで、個人向けキャリアコンサルティングの申込ページを表示します。

  • 02

    自分の都道府県の一覧を見る

    支援センターの所在地と、ハローワーク内の相談コーナーの一覧を確認します。通勤経路上にあるか、自宅から行けるかを見ます。

  • 03

    オンラインを選べるか確認する

    オンラインを選べば、窓口まで移動する必要はありません。近くに通える場所がないという理由だけで諦める必要はありません。

近くの窓口まで通うのが難しい場合は、申込時にオンラインを選べるかを先に確認します。実施方法として対面とオンラインの両方が案内されているので、移動時間を理由に候補から外す前に、オンラインの枠を見ておきます。

自治体が独自に設けている窓口もある

国の窓口とは別に、自治体が独自に相談窓口を持っていることがあります。

たとえば東京都は、働く女性の活躍を支援する拠点として「はたらく女性スクエア」を設けています。東京都労働相談情報センターの青山事務所が2024年9月にこの名称で開設されたもので、専門相談員がキャリアアップや仕事と子育ての両立に関する相談に対応しています。開所は平日と土曜の午前9時から午後8時まで、日曜・祝日と年末年始は休みです。求職中でも利用できますが、求人紹介は行っていません。

ただしこれは東京都の制度で、他の道府県にそのまま同じものがあるわけではありません。名称も運営主体も地域ごとに違います。

そこで、自分の地域を調べるときは「◯◯県 女性 就業支援センター」「◯◯市 キャリア相談 窓口」のように、自治体名と組み合わせて検索します。都道府県の労働局、労働相談情報センター、男女共同参画センターのいずれかが持っていることが多い窓口です。

この章でやることは1つです。申込ページを開いて、自分の都道府県の窓口を1つ選ぶ。通えないと感じたらオンラインの枠を見る。ここまでで5分あれば終わります。

働きながら行ける時間帯はどこか

無料であっても、平日の昼間しか開いていなければ、働いている人には使えません。ここは予約の前に確認する価値があります。

支援センター内とハローワーク内で、実施時間が違う

同じ事業の窓口でも、設置場所によって相談できる時間帯が異なります。

支援センター内の相談コーナーには、日中の枠に加えて、17時15分から20時までの夜間枠が設けられています。土曜や日曜にも枠が設定されている日があります。

一方、ハローワーク内の相談コーナーは、平日8時30分から17時15分までの案内になっています。

つまり「近いほうのハローワークに行こう」と決めてしまうと、夜間や土日の選択肢を自分で消してしまうことになります。

夜間・土日の枠は、曜日と拠点で条件が変わる

ここは注意が必要です。夜間や土日の枠は、すべての拠点で毎週同じように開いているわけではありません。曜日ごとに実施の有無が違い、予約状況によって変わる枠もあります。

そのため「毎週この曜日は20時まで」と覚えるのではなく、申込画面で自分が行きたい拠点の枠を直接見るのが確実です。

確認の順番は、拠点を選ぶ前に時間帯を選ぶ、です。多くの人は場所から選びますが、働きながら通うなら、行ける時間帯を先に決めて、その時間に開いている拠点を選ぶほうが失敗しません。

オンラインを選ぶと、何が変わるか

オンラインを選ぶと、移動時間がなくなります。往復1時間かかっていた人は、60分の相談のために2時間を確保する必要がなくなります。

一方で、自宅から参加する場合は、60分間ひとりで話せる場所を用意することになります。家族が在宅している時間帯を避ける、昼休みに車内から接続する、といった調整が必要になることがあります。

対面かオンラインかは、話しやすさよりも「60分を邪魔されずに取れるか」で選ぶほうが現実的です。

この章でやることも1つです。自分が確保できる時間帯を先に決めます。平日の夜なのか、土曜なのか、平日の昼にオンラインなのか。決めてから拠点を選び直します。

ジョブ・カードはどこまで埋めれば足りるか

国の窓口では、ジョブ・カードを使ってキャリアコンサルティングを行います。ここでつまずいて予約を先送りする人がいるので、先に条件をはっきりさせます。

事前に作成する。ただし全部埋まっていなくてよい

まず前提として、この事業のキャリアコンサルティングは、事前にジョブ・カードを作成したうえで実施すると案内されています。当日に手ぶらで行って、その場で作り始める流れではありません。

そのうえで、マイジョブ・カードの案内では、受ける前にジョブ・カードの書ける部分だけでも記入しておくと、より適切なアドバイスを受けられるとされています。全項目を埋めきる必要はありません。

同時に、記入状況によっては予約時間内に終わらない可能性があるため、急ぐ場合はできるだけ空白のない状態で持参するよう案内されています。

整理すると、こうなります。ジョブ・カード自体は事前に作っておく。ただし全項目が埋まっている必要はない。空白が多いまま持参すると、60分の中で書く時間に相談時間を使うことになる。この3つです。

完璧に仕上げる必要はありません。埋まっていない欄があることを理由に予約を延ばすほうが、機会を失います。

60分を使い切るために、先に書いておく4つ

すべての様式を完成させる必要はありません。当日の60分を相談に使うために、先に手を動かしておくと差が出るのは次の4つです。

  • 01

    職務経歴を時系列で並べる

    会社名と在籍期間、担当した業務を順に書きます。正確な月が思い出せなくても、順番が合っていれば構いません。マイジョブ・カードの職務経歴シート(様式2)がこれにあたります。

  • 02

    いま困っていることを3つ以内にする

    書くのは「会社の不満」ではなく「自分が判断に迷っていること」です。「上司が話を聞かない」ではなく「管理職の打診を受けるかどうか決められない」と書きます。

  • 03

    外せない条件を3つまでにする

    年収の下限、退勤時刻、転勤の可否など、譲れないものだけを挙げます。希望条件を10個並べるより、相談員も選択肢を絞りやすくなります。

  • 04

    今日持ち帰りたいものを1行で書く

    答えではなく状態で書きます。「悩んでいることを言葉にしたい」「選択肢を3つに絞りたい」「転職活動を始めるべきか判断する材料がほしい」といった形です。

職歴を書き出す段階で手が止まる場合は、社会人の自己分析のやり方を先に通しておくと、ジョブ・カードの欄が埋めやすくなります。

「まだ決めていないこと」を書いておく

見落とされやすいのがこれです。決まっていることだけでなく、決まっていないことを明示しておきます。

たとえば「転職すると決めていない」「管理職を受けるか決めていない」「子どもを持つかどうかも決めていない」といったことです。

なぜ書くかというと、書いていないと、相談員が自然に前提を置いて話を進めることがあるからです。転職の相談として来たと解釈されれば、話は転職の方向に整理されていきます。決めていないと最初に伝えておけば、その前提を置かずに進めてもらえます。

これは相談員の力量の問題ではありません。60分という限られた時間で話を組み立てる以上、どこかで前提を仮置きする必要があるからです。その仮置きを、自分の側から渡しておく、ということです。

自分がいまキャリアのどの段階にいるのかが曖昧なままだと、この欄も書きにくくなります。現在地から確かめたい場合は、女性のキャリア形成の段階を整理した記事が使えます。

この章でやることは、4つのうち「今日持ち帰りたいもの」を1行書くところまでです。ここが空欄のまま当日を迎えると、60分の使い道が決まりません。

ライフイベントのことは相談していいのか

結婚や出産、育児と仕事の関係を相談していいのか。ここで迷って、仕事の話だけに絞ってしまう人がいます。結論から言うと、扱ってよいテーマです。

公式の様式に、ライフイベントを書く欄がある

マイジョブ・カードの在職者向けの案内では、キャリア・プラン作成補助シートについて、ライフイベント、価値観、強み・弱みを振り返ることで、プライベート上の課題や優先事項が見えてくると説明されています。

つまり、ライフイベントは仕事の話から切り離すべきものとしてではなく、キャリアプランを考えるための項目として様式に組み込まれています。「仕事の相談の場で私生活の話をするのは場違いではないか」と感じる必要はない、ということです。

国は、女性向けの相談技法を別に整備している

厚生労働省は、労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発に関する調査・研究事業として、若者・女性・中高年それぞれに向けた技法を公開しています。

このうち女性向けの技法は平成29年度の事業で開発されたもので、対象は出産・育児と仕事の両立に困難を有している女性等とされています。育児中の相談者への質問例、自己棚卸し、キャリアと子育ての分析といったツールで構成されています。

NOTE

この女性向け技法は、厚生労働省が平成29年度(2017年度)の委託事業として開発したものです。開発から年数が経っていますが、現在も厚生労働省のサイトでキャリアコンサルタント向けに公開されています。

育児と仕事の両立をキャリアの相談テーマとして扱うことは、国の側でも想定されている、ということです。相談者が遠慮して切り出さないほうが、かえって話が噛み合わなくなります。

なお、この技法が対象としているのは育児との両立に課題がある人です。育児をしていない人が相談できないという意味ではありません。

予定が決まっていないなら、決まっていないまま伝える

ライフイベントについて相談するとき、迷いやすいのが「まだ何も決まっていない場合」です。

結婚するかも、子どもを持つかも決めていない。それなのに「いずれ出産したら」という前提で話が進むと、自分の話ではなくなっていきます。

このときは、決めていないことをそのまま伝えます。たとえば「出産するかどうかは決めていません。どちらの場合でも選べるキャリアを考えたいです」という形です。

これは前の章で書いた「まだ決めていないこと」の欄と同じ考え方です。決めていないという情報自体が、相談の前提になります。反対に、すでに具体的な予定がある場合は、時期を伝えたほうが選択肢を絞りやすくなります。制度の利用可否や復職のタイミングが関わってくるためです。

この章でやることは、ライフイベントについて、いま決まっていることと決まっていないことを1行ずつ書き分けるところまでです。書き分けるだけで、当日の話の進み方が変わります。

MOREARIAでは、迷いながら働き方を選び直してきた女性たちのインタビューを多数掲載しています。整った答えを持っていた人だけではなく、決めきれない時期を抱えたまま進んだ人たちの物語が、次の一歩のヒントになるはずです。

挑戦する人たちの物語を読む

無料のキャリア相談に関するよくある質問

予約の前後でつまずきやすい点を、3つに絞ってまとめます。

予約したのに、当日話すことがまとまらなかったらどうすればいいですか?

まとまっていない状態を、そのまま伝えて構いません。「何に困っているのかを言葉にしたい」というのは、それ自体が相談テーマとして成立します。ただし60分は決まっているので、話す順番だけ決めておくと進みやすくなります。事実、困っていること、迷っている選択肢、今日整理したいこと、の順です。経歴の説明から始めると、それだけで時間の半分を使うことがあります。

相談員と合わないと感じたときは、どう考えればいいですか?

相談の成果は、その場の相性だけでは測れません。終わったあとに、話した内容を整理し直してもらえたか、自分にはなかった視点や質問があったか、次に何をすべきかが分かったか、の3つで振り返ります。このうち2つに当てはまるなら一定の成果があったと見てよい、というのは編集部が整理したものです。求人を紹介されなかったから失敗、という測り方はしません。窓口によって出口の構造そのものが違うためです。

原則1回なら、2回目はどうすればいいですか?

この事業のキャリアコンサルティングは原則1回とされており、2回目を前提にした設計ではありません。1回で足りなかった場合は、足りなかったものを分けて考えます。社内の異動制度や希望する職種の求人など、情報が足りないのであれば自分で調べる段階です。判断の軸が足りないのであれば、もう一度誰かと話す意味があります。なお、専門実践教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金の支給申請に関わるキャリアコンサルティングについては、ハローワークに相談する案内になっています。

まとめ

無料でキャリア相談を受けられる窓口は実際にあり、在職中の女性でも使えます。国の窓口は原則1回、60分。職業紹介は行わないので、転職を決めていない段階でも入っていけます。

  • 国の窓口は在職者も対象。原則1回・60分、対面かオンラインを選べる

  • 拠点より先に時間帯を決める。夜間や土日の枠は設置場所と曜日で変わる

  • ジョブ・カードは空白があってもよい。「今日持ち帰りたいもの」を1行書く

  • ライフイベントは相談テーマになる。決めていないことは決めていないまま伝える

準備で差がつくのは、ジョブ・カードを完璧に仕上げることではありません。行ける時間帯を先に決めること、今日持ち帰りたいものを1行書くこと、そして決めていないことを決めていないまま伝えること。この3つです。

まずは申込ページを開いて、自分が確保できる時間帯に開いている窓口を1つ選ぶところから始めてみてください。

参考資料

  • 厚生労働省委託事業「キャリア形成・リスキリング推進事業」個人向けキャリアコンサルティング案内
  • 厚生労働省「マイジョブ・カード」在職者の方へ
  • 厚生労働省「労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発に関する調査・研究事業」(平成29年度)
  • 厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査」(2026年7月31日公表)
  • 東京都「はたらく女性スクエア」(東京都労働相談情報センター青山事務所)

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akina

MOREARIA 代表 / 編集長

MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。

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