キャリアの軸の見つけ方|女性の軸は、本当に「ない」のだろうか

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キャリアの軸の見つけ方|女性の軸は、本当に「ない」のだろうか

この記事でわかること 「キャリアの軸がない」と感じるとき、実際に起きている三つの状態 「やりたいことがない」と「選ぶ基準がない」は別の話だということ キャリアの軸の見つけ方を調べても手が止まってしまう理由 軸は先に決める […]

2026-8-31

キャリアの軸の見つけ方|女性の軸は、本当に「ない」のだろうか

この記事でわかること

  • 「キャリアの軸がない」と感じるとき、実際に起きている三つの状態
  • 「やりたいことがない」と「選ぶ基準がない」は別の話だということ
  • キャリアの軸の見つけ方を調べても手が止まってしまう理由
  • 軸は先に決めるものなのか、選んだあとに見えてくるものなのか

キャリアの軸の見つけ方を調べて、価値観のリストを眺めて、それでも何も決まらなかった。そういう経験があると、自分には軸というものが無いのだと思えてきます。

でも、少しだけ立ち止まってみたいのです。その「ない」は、本当に無いという意味なのでしょうか。手順が合わなかっただけかもしれないし、すでに持っているものを軸と呼んでいいと気づいていないだけかもしれません。

この記事では、答えを出すことより、「軸がない」という感覚の中身をほどくことを目指します。読み終わったときに、探すものが少し変わっているかもしれません。急がずに読んでみてください。

「軸がない」と感じるとき、実際には三つの状態がある

「キャリアの軸がない」という一つの言葉の中に、性質のまったく違う状態が混ざっています。混ざったまま対処しようとするので、どの方法を試してもしっくりこない、ということが起こります。

以下は、この記事のために公開されている相談投稿を読みながら編集部が整理したものです。調査に基づく分類でも、診断の基準でもありません。当てはまらないと感じたら読み飛ばしてください。

  • 01

    候補そのものが出てこない

    何を大事にしたいかと聞かれても、言葉が浮かばない状態です。仕事に強い希望を持たずに働いてきた方や、目の前のことに集中してきた方に起こります。この場合は、考える材料そのものを増やす必要があります。

  • 02

    候補が多すぎて、順位が決まらない

    収入も、時間も、通勤も、やりがいも大事。全部が大事なので、どれかを選べない。条件をたくさん持っているぶん、かえって「自分には軸がない」と感じやすい状態です。この場合、足りないのは候補ではなく、ぶつかったときの優先順位です。

  • 03

    条件はあるが、それを軸と呼んでいいと思っていない

    「土日は休みたい」「転勤はできない」。こうした条件を持っていても、立派な志のようなものでないと軸ではない、と感じてしまう状態です。この場合、必要なのは新しい発見ではなく、呼び方の変更です。

HINT

自分がどれに近いか、置いてみる

三つのうち、どれがいちばん近いでしょうか。もし「候補が多すぎる」だとしたら、あなたに足りていないのは軸ではなく、順番のほうかもしれません。そう考えると、次に何をすればいいかは変わってきませんか。

条件が多すぎて決められない、という状態

Yahoo!知恵袋に2025年2月に投稿された相談のなかに、離職中と書いている27歳の女性からのこんな趣旨のものがあります。

人と関わる仕事が得意だと感じている。でも希望する働き方は、土日祝が休みで残業が少なく、18時から19時には帰れて、転勤がないこと。将来的には年収500万円ほどを望んでいる。そして「みなさんはどんな基準で仕事を選んでいますか」と問いかけています。

この方に条件が無いわけではありません。むしろ多い。好き、得意、休日、残業、通勤、収入、将来性。それらが一つの仕事の中で両立しないから、決められなくなっています。この方の場合、軸が無いというより、軸が多いのだと捉えることもできます。

そう捉え直すと、やることが変わります。新しい価値観を探しにいくのではなく、すでにある条件のうち、どれを最初に手放せるかを考えることになります。

書き出しても答えが出ない、という状態

一方で、書き出す作業そのもので止まってしまうこともあります。ノートを開いて、何も書けないまま閉じる。

このとき、自分には内面が無いのだと感じてしまいがちですが、単に問いの立て方が大きすぎることがあります。「何を大事にしたいか」ではなく「先月、断ったことは何か」なら、書けるかもしれません。書き出しても答えが出ないときの自己分析の進め方は、別の記事で扱っています。

「やりたいことがない」と「選ぶ基準がない」は、別の話

この二つは、日常会話ではほとんど同じ意味で使われます。けれど、実際には答えるべき問いが違います。

やりたいことは「何をするか」の話です。職種や業務の中身に近い。選ぶ基準は「どう選ぶか」の話です。目の前の候補を比べるためのルールです。やりたいことが決まっていなくても、選ぶ基準は持てます。

「夜は働きたくない」「転居はできない」「年収はこの金額を下回れない」。これらは職種名を一つも含んでいませんが、求人を見たときに残すか落とすかを決められます。それは、選ぶ基準として機能しているということです。

方向は決まっているのに、決められないこともある

逆の順序で詰まることもあります。Yahoo!知恵袋に2026年6月に投稿された相談のなかに、30代女性と書いている方からのこんな趣旨のものがあります。

美容業界で接客や営業、マネジメントを経験したあと、育成や人事の領域に挑戦したいと考えて転職活動を始めた。けれど、どの業種を選べばいいのかが決まらない。最終面接まで進んでも通らず、繰り返すうちに自信を失っていく。

この方は、やりたいことが無いわけではありません。人事や育成に行きたい、という方向はあります。それでも決められないのは、方向と基準が別のものだからです。

「人事をやりたい」だけでは、どの会社を受けるかは決まりません。どのくらいの給与なら受けるのか。現場と人事の比率はどのくらいがいいのか。会社の規模は。任される範囲は。やりたいことは、選択肢を絞りきってはくれません。だから、やりたいことが見つかった方も、結局は基準を持つことになります。

周りと比べて、苦しくなっているとき

ここまで、基準という言葉を事務的に使ってきました。けれど実際には、「軸がない」という感覚は、もっと苦しい気持ちとくっついていることがあります。

周りは決めているのに自分だけ決まらない。その焦りが強いときは、基準を整理する作業そのものが手につきません。そういうときは、何がしたいかわからないと感じるときに、なぜ仕事が苦しくなるのかのほうを先に読んでもらったほうがいいかもしれません。順番は、どちらからでも構いません。

軸は、先に決めてから動くものなのか

「軸が決まってから求人を見よう」と考えて、そのまま何か月も経ってしまう。よくある止まり方です。

けれど、順番は逆でも構いません。仮の基準で求人を見て、違和感が出たらその基準を直す。この往復のほうが早いこともあります。大切なのは、違和感が出たときに「今のはどの条件が引っかかったのか」を言葉にしておくことです。それを書き留めていくと、基準のほうが後から輪郭を持ちます。

先に将来像のほうから考えたい場合は、年代別・職種別のキャリアプラン例を並べた記事もあります。どこから入るかは、あなたが動きやすいところで構いません。

選んだあとに見えてくる基準もある

過去に断ったこと、辞めたこと、残ったこと。それを振り返ると、当時は意識していなかった判断の理由が見えることがあります。

そのときは「なんとなく気が進まなかった」で終わっていた。けれど今になって並べてみると、断った理由が毎回同じだった、ということが起こります。つまり基準には、先に決めて選択を導くものだけでなく、選択したあとから発見して次に使うものもあります。

そう考えると、これまでの選択は無駄になっていません。決め方が分からないまま選んできたとしても、その一つひとつが、あなたの基準の材料になっています。

軸が変わったのは、前の軸が間違いだったという意味ではない

数年前に大事だと思っていたことが、今はそれほどでもない。そのことを、軸がぶれていると感じてしまう方がいます。

キャリア心理学者のドナルド・E・スーパーは1980年の論文で、キャリアを、生涯にわたって担う複数の役割の組み合わせとして捉える考え方を示しました。働く方としての役割だけでなく、家族の中での役割や地域での役割もあり、その比重は時期によって変わっていく、という見方です。

この見方に立つと、優先したい条件が入れ替わることは、それ自体が不自然なことではないと読み取れます。20代のあなたが経験の幅を優先し、ある時期のあなたが時間の読みやすさを優先する。前の基準が間違っていたのではなく、置かれている場所が動いただけ、と捉えることもできます。

ひとりで決めなくてもいい

厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」では、キャリアコンサルタントへの相談を「利用したい」と答えた正社員が57.9%にのぼりました。一方で、実際にキャリアコンサルティングを受けた労働者は12.1%、正社員に限っても14.8%です。

さらに、利用したいと答えた正社員が相談したい内容としては、「将来のキャリアプラン」が59.9%、「仕事に対する適性・適職」が45.3%と、上位に並んでいます(複数回答・3つまで)。まさに「軸が決まらない」と重なる内容を、多くの方が相談したいと考えていることが、うかがえます。

相談したい気持ちはあるのに、実際には受けていない。この開きが何によるものかまでは、この調査からは分かりません。時間が取れない、相談先を知らない、そこまで困っていないと感じている。理由はいくつも考えられます。ここからは編集部の受け止めですが、少なくとも「相談したいと思うこと自体は珍しくない」とは言えそうです。

相談先の一つとして、厚生労働省の委託事業であるキャリア形成・リスキリング推進事業では、在職中の方も対象にした無料のキャリアコンサルティングを実施しています。所要時間は60分、対面またはオンラインで、この事業では職業紹介を行っていません。求人を勧められる場ではない、というのは、まだ決めていない段階では大きな違いです。

MOREARIAでは、迷いながら選び、選び直してきた女性たちのインタビューを掲載しています。決まっていたから動けたのではなく、決まらないまま動きはじめた方もいます。そのリアルな物語が、あなたの言葉を見つけるきっかけになるはずです。

挑戦する人たちの物語を読む

キャリアの軸に関するよくある質問

「軸が見つからない」と感じている方から、多く寄せられる質問をまとめました。

条件が思いつくのに、それを軸と呼んでいいのか分かりません

求人を見たときに、残すか落とすかを決められるなら、それは基準として働いています。立派な志である必要はありません。「土日は休みたい」「転勤はできない」も、選択肢を絞る力を持っています。呼び方を変えるだけで、手元にあるものが見えてくることがあります。

まだ転職も異動も考えていません。それでも軸は必要ですか?

急いで用意する必要はありません。ただ、比べる場面は転職以外にも訪れます。担当替えを受けるか、副業を始めるか、今の働き方を続けるか。何かを選ぶ場面が来たときに、慌てて考えずに済む、という違いはあります。

軸が何度も変わってしまいます

状況が変われば、優先したい条件も動きます。健康、家計、家族の働き方、担当する仕事の中身。どれが変わっても影響します。変わったこと自体より、「今は何を優先したいのか」を、そのつど言葉にできているかのほうが大切かもしれません。

まとめ|「ない」のではなく、まだ呼び名がないだけかもしれない

キャリアの軸が見つからないと感じるとき、無いのは軸そのものではなく、それを軸と呼ぶ言葉のほうかもしれません。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。

  • 「軸がない」には、候補がない・多すぎる・軸と呼んでいない の三つの状態がある

  • やりたいことが無くても、選ぶ基準は持てる。方向と基準は別のもの

  • 先に決めなくてもいい。仮の基準で動いて、違和感から直していく道もある

  • 優先したい条件が変わるのは、前の基準が間違いだったという意味ではない

今日は、直近で断ったことを一つだけ思い出してみてください。誘いでも、求人でも、頼まれごとでも構いません。なぜ断ったのかを一行書くだけで、そこにあなたの基準が顔を出します。それは、探しにいくものではなく、もう持っているものです。あなたの心地よい一歩を、応援しています。

参考資料

  • 厚生労働省「令和7年度「能力開発基本調査」の結果を公表します」(2026年7月31日)
  • Donald E. Super「A life-span, life-space approach to career development」(1980年)

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akina

MOREARIA 代表 / 編集長

MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。

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