自分らしいキャリアはどう見つける?働く女性の希望を仕事の事実に変える

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自分らしいキャリアはどう見つける?働く女性の希望を仕事の事実に変える

「自分らしい」は、そのままでは求人票で判定できない。 けれど、言い換えれば確かめられる。 形容詞を条件に変える、13の例。

2026-9-11

自分らしいキャリアはどう見つける?働く女性の希望を仕事の事実に変える

この記事でわかること

  • 「自分らしいキャリア」が言葉のままでは確認できない理由
  • 抽象的な希望を、確認できる条件に言い換える13の例
  • 言い換えた条件を、求人票・面談・今の職場に割り振る方法
  • 言葉が出てこないときに使える、国の無料ツール

自分らしいキャリアの見つけ方を調べると、自己分析、価値観の書き出し、強みの棚卸しが出てきます。どれも有効な方法です。それでも決まらないとしたら、書き出した言葉が、まだ確認できる形になっていないのかもしれません。

この記事では、「やりがい」「自由」「強みを生かしたい」といった言葉を、求人票や面談で確かめられる条件に言い換える方法を扱います。診断は使いません。転職を前提にもしません。

一般的な答えは、あなたの職場に来週どんな会議が入っているかを知りません。読み終えるころには、13の言い換え例を手がかりに、自分の希望を「これなら○か×か答えられる」という形の文にした状態を目指します。急がなくて大丈夫です。

「自分らしいキャリア」は、言葉のままでは確認できない

「自分らしい」は形容詞です。形容詞のままだと、比べることも、確かめることもできません。この章では、何が起きているのかを整理します。

将来の見通しを言葉にできている人は、多数派ではない

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が2024年10月15日から11月5日にかけて実施し、2025年11月に公表した「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(労働者調査)」に、将来のキャリアについてどんな見通しや希望を持っているかを尋ねた設問があります(設問Q52)。

女性の正社員1,941人のうち、最も多かった回答は「将来のことは考えていない」で42.1%でした。次いで「いまの会社で専門職として仕事を究める」が24.6%、「転職する」が23.4%と続きます。

この調査は、18歳から65歳までの、従業員5人以上の企業に勤める方を対象にしたインターネット調査です。厚生労働省の調査では対象外になる、従業員30人未満の会社で働く方も含まれています。

この設問が聞いているのは、将来のキャリアについての見通しや希望です。読み取れるのは二つあります。明確な方向を定めていない人が決して少数派ではないこと。そして方向を定めている人のあいだでも「今の会社で究める」と「転職する」がほぼ同じ割合で並んでいて、答えが一つに集まっていないということです。

ただし、この調査は「言葉にできるかどうか」を聞いたものではありません。方向が定まらない理由は人によって違います。この記事が扱うのは、そのうち希望はあるのに、まだ確認できる形になっていない場合です。ここは調査が示していることではなく、編集部の見立てです。

いずれにせよ、この記事はあなたの適職を当てにいきません。当てにいく必要がないからです。

詰まっているのは「自己理解」ではなく、その次の工程

「自分らしいキャリアが分からない」と言うとき、詰まっている場所は人によって違います。noteやSNSに書かれた声を読んでいくと、大きく四つに分かれます。以下は、記事を読み進めやすくするために編集部が整理したものです。何かの定説や公的な分類ではありません。

  • 01

    言葉はあるのに、具体化されていない

    「自由に働きたい」とは言えるけれど、それが勤務時間の話なのか、場所の話なのか、仕事の進め方の話なのかが分かれていない状態です。

  • 02

    嫌なことは分かるのに、条件として使えていない

    「これが毎日続くと消耗する」ははっきりしているのに、それを次の仕事を見るときの物差しに変えられていない状態です。

  • 03

    行動したのに、正解だったか判定できない

    転職も、学び直しも、相談もした。それでも「これでよかったのか」が終わらない。判定する物差しを持っていないからです。

  • 04

    自分の希望と「世間的に良さそうな条件」が混ざっている

    会社の知名度、年収の相場、昇進。それ自体が悪いのではなく、自分が欲しい条件と同じリストに入っていることが問題になります。

二つ目については、noteに投稿された37歳の女性の自己紹介が分かりやすい例です。好きなことややりたいことに確信はなかったけれど「少なくともこの場所じゃないな」と感じた、と書かれています。同じ投稿の中で、自分の苦手なこととして、込み入った技術的な議論と社内外の折衝が具体的に挙げられていました。

材料は、すでに手元にあることがあります。四つとも、自己理解が足りないという話ではありません。手元にある言葉が、確認できる形になっていないという一点に集約されます。

抽象的なままだと、何が起きるか

「やりがいのある仕事がしたい」と書いた紙を持って、求人票を開いたとします。その求人に「やりがい」があるかどうかは、どこを見れば分かるでしょうか。仕事内容の欄でしょうか。給与でしょうか。判断できないので、なんとなく良さそうかどうかで決めることになります。

面接でも同じです。「やりがいはありますか」と聞けば、「あります」と返ってきます。それ以上のことは分かりません。

そして厄介なのは、この状態だといつまでも作業が終わらないことです。終わりの条件が決まっていないからです。「自分を完全に理解できたら終わり」にしてしまうと、終わる日は来ません。

だから、この記事では終わりの条件を先に決めます。あなたの希望を、求人担当者に見せたときに「当てはまります」「当てはまりません」「確認が必要です」のどれかで答えてもらえる文にできたら、そこで一区切りです。

条件がいくつか出てきたあと、転職・異動・副業・今の仕事を同じ表に並べて比べる方法は、キャリアの軸を選択肢の比べ方から整理した記事にまとめています。この記事はその手前、言葉を作るところを担当します。

抽象語を、確認できる条件に言い換える

ここがこの記事の中心です。先にルールを三つ置いてから、13の言い換え例を並べます。

言い換えるときの三つのルール

以下の三つは、記事を読み進めやすくするために編集部が整理したものです。何かの検査や公的な基準ではありません。

  • 01

    形容詞を、動詞に変える

    「良い」「楽しい」「自由」「成長できる」ではなく、「決められる」「相談できる」「作れる」「断れる」「知れる」まで下ろします。動詞になると、それが起きているかどうかを外から見て判定できます。

  • 02

    職種名に飛ばさない

    「人に喜ばれるのが好き」を「接客業が向いている」に変えると、そこで飛躍が起きます。「自分の仕事について、相手の反応を直接知ることができる」と条件のまま置けば、営業でも企画でも事務でも医療でも、同じ物差しで見られます。

  • 03

    固有名詞にしない

    「あの会社みたいな雰囲気がいい」は条件ではありません。その会社の何が良かったのかを、他の会社でも確認できる形にします。

13の言い換え例

読者が使いがちな言葉を、左に並べました。右が、求人票や面談で確認できる形にした例です。すべてを埋める必要はありません。自分が実際に使っている言葉だけを探してください。

使いがちな言葉確認できる条件への言い換え例
やりがいのある仕事がしたい自分が担当した成果物が分かる/利用者や顧客の反応を直接知れる/企画から実行まで担当できる
成長できる仕事がしたい半年から一年で担当範囲が変わる/上司から定期的にフィードバックがある/未経験の業務を任される機会がある
自分の強みを生かしたい人に説明する仕事が週に何回あるか/文章を書く業務がどのくらいあるか/これまで苦にならなかった行動を実際に使う仕事か
専門性を高めたい三年後に何の知識が蓄積される仕事か/同じ分野を継続して担当できるか/社外に出す成果物があるか
裁量のある仕事がしたい進め方・優先順位・提案内容のどこまでを自分で決められるか/最終承認者は誰か
評価される仕事がしたい評価基準が文章になっているか/評価面談が年に何回あるか/直属の上司以外も評価に関わるか
人間関係のいい職場がいい判断に迷ったとき誰に相談するか/1on1があるか/意見が割れたとき誰がどう決めるか
一人で集中して働きたい一日の会議時間/即時返信を求められるチャットの量/電話対応の有無
チームで働きたい共同作業が週にどのくらいあるか/個人目標かチーム目標か/担当者同士で相談して決める場面があるか
人の役に立つ仕事がしたい誰のどんな問題を解決する仕事か/相手と直接接するか/結果や反応を知ることができるか
クリエイティブな仕事がしたい既存手順の実行と、新しく考える仕事の割合/企画を出す頻度/ゼロから作れる範囲
納得感のある仕事がしたい依頼の背景が説明されるか/意思決定に意見を出せるか/決定の理由が共有されるか
自分らしく意見を言える職場がいい会議で誰が発言しているか/改善提案の仕組みがあるか/反対意見が出たときどう決めるか

この表の使い方は、二通りあります。自分が使っている言葉が左側にあるなら、右側をそのまま持っていってください。無いなら、右側の書き方を真似して自分で作ります。「〇〇があるか」「〇〇が何回あるか」「どこまでを誰が決めるか」。この三つの形のどれかに収まれば、たいてい確認できる文になっています。

もう一つ。「一人で集中して働きたい」と「チームで働きたい」を、あえて両方入れています。正反対に見える二つですが、どちらの条件も自分に当てはまるということはよくあります。一日のうち二時間は一人で作業したい、けれど週に一度は誰かと相談しながら決めたい。そういう混ざり方をしていることは、めずらしくありません。

どちらか一方に決めなくて構いません。決めるのは、それぞれが「どのくらい」あればいいかのほうです。

女性正社員が挙げた一位は、抽象語ではなかった

言い換えは難しく見えるかもしれませんが、実は多くの人がすでにやっています。

厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」では、向上させたい能力やスキルがあると答えた女性の正社員のうち、最も多かったのは「課題解決」で36.3%でした。「自分らしさ」でも「やりがい」でもなく、具体的な能力の名前です。

この調査から「抽象語では止まる人でも、能力の話なら具体化できる」とまでは言えません。調査は、その二つを比べていないからです。ここから言えるのは、キャリアを考えるときに「能力・スキル」という具体的な切り口を使う道があり、実際に多くの女性正社員がその切り口で答えている、ということです。

言い換えの出発点は、抽象語だけではありません。すでに具体的に言える言葉があるなら、そこから始めても構いません。

言い換えた条件を、確かめる場所に割り振る

条件ができたら、次はそれを確かめます。頭の中で納得するのではなく、事実を取りに行く工程です。確かめる場所は三つあり、それぞれ分かることが違います。

求人票で確認できること

求人票で確実に分かるのは、書いてあることだけです。雇用形態、仕事内容、担当業務の範囲、研修制度、資格支援の有無。このあたりは記載を読めば判定できます。一方で、実際の裁量、会議の量、突発対応の頻度、上司との関係、制度が実際に使われているかどうかは、求人票では分かりません。

ここで大事なのは、分からないものに想像で○や×をつけないことです。判定は三つにします。○は確認できた、×は条件と違う、そして「まだ分からない」。

「まだ分からない」は失敗ではありません。次に聞くべき質問が一つ決まった、という状態です。求人票だけで理想の会社を見つけなければならない、という思い込みから降りられます。

面談で聞くこと

面談では、「ありますか」と聞かないのがコツです。「裁量はありますか」と聞けば「あります」と返ってきて、そこで終わります。代わりに、直近の実例を聞きます。「このポジションで、自分で判断して進められることと、上司の承認が必要なことを教えてください」。

ただし、採用担当者が実態をすべて説明してくれるとは限りません。それでも、抽象的に尋ねるより具体的な事実や実例を聞き出しやすくなります。同じ形で、他の条件も確かめられます。担当範囲が変わるかを知りたいなら「入社後半年から一年で、担当する仕事はどのように変わることが多いですか」。相談環境を知りたいなら「仕事で判断に迷ったとき、通常は誰にどのように相談しますか」。

そして、一つだけ聞くとしたらこれです。「このポジションの、一般的な一日の流れを教えてください」。会議の時間、一人で作業する時間、顧客対応、突発対応、他部署との調整。あなたが確かめたかったことの多くが、この一つの答えの中に入っています。

今の職場で試せること

転職しなくても確かめられる条件があります。むしろ、その条件が本当に自分に必要なのかを小さく試せるなら、そのほうが判断材料として強くなります。

「裁量が欲しい」と思ったなら、一つの業務について「進め方はこちらで設計して、途中で確認をお願いしてもいいですか」と提案してみる。「人を支援する仕事がしたい」なら、新人教育や引き継ぎを担当してみる。「企画がしたい」なら、既存業務の改善案を一本つくってみる。

試したあとに記録するのは、感想ではありません。実際に負担が減ったか、仕事への納得感が増えたかです。「やってみたいと思った」より「実際にやったらどうだったか」のほうが、条件としての精度が上がります。

ここで条件が満たせそうだと分かったなら、それも立派な結論です。自分らしいキャリアを見つけることと、転職することは同じではありません。そもそも自分の基準が持てないと感じているなら、その感覚がどこから来ているのかを扱った自分軸がないと感じる女性の仕事の考え方も参考になります。

言葉が出てこないときに使える、国の無料ツール

一人で言い換えが進まないときに使える仕組みがあります。有料のサービスに申し込む前に、無料で使えるものが二つあります。

マイジョブ・カードの自己診断

厚生労働省の「マイジョブ・カード」には、無料で使える自己診断が三種類あります。興味診断、スキルチェック、そして価値観診断です。興味診断については、心理学者のジョン・L・ホランドが提唱したホランドコード(RIASEC)の6つのタイプに基づく分類だと、公式サイトに明記されています。

この記事の目的からすると、価値観診断がそのまま入口になります。「自分らしい」という言葉が指しているものを、選択肢の形で言語化してくれるからです。出てきた言葉を先ほどの表の左側として使えば、そのまま右側への言い換えに進めます。

診断の結果は答えではありません。言い換えの材料として扱ってください。

職務経歴シートで、事実のほうから出す

診断が苦手なら、経歴のほうから入る道もあります。マイジョブ・カードの職務経歴シート(様式2)は、これまでの職歴を順番に書いていくシートです。公式の案内には、正確な時期が分からなくても記入を進めてよい、順番は後から変更できる、と書かれています。完璧に思い出せなくても始められます。

書き出した職歴を眺めると、自分が何を長く続けてきたか、どこで担当が変わったかが見えます。そこから「またやってもいい仕事」と「二度と続けたくない仕事」を選ぶだけでも、条件の材料になります。

なお、方向が決まったあとで学び直しに進む場合は、費用を支援する国の制度があります。詳しくは、女性のリスキリングと国の支援制度をまとめた記事を参考にしてください。

MOREARIAでは、迷いながら選び、選び直してきた女性たちのインタビューを掲載しています。何を優先し、何を確かめてから決めたのか。その過程が書かれた物語は、あなたが自分の条件を言葉にするときのヒントになるはずです。

挑戦する人たちの物語を読む

自分らしいキャリアの見つけ方に関するよくある質問

言い換えを進める途中で出てきやすい疑問を、三つ取り上げます。

条件を全部満たす会社はありますか?

すべてを満たす選択肢を見つけるのは、簡単ではありません。だからこそ、必須の条件とあれば嬉しい条件を分けます。この記事で作るのは合格ラインではなく、確認する項目のリストです。全部が○になる選択肢を探すのではなく、×が許容できるかどうかを自分で判断するために使います。

自分らしい働き方とは、何が違うのですか?

この記事で扱ったキャリアは、仕事の中身や積み上がっていくものを指します。働き方は、勤務時間や場所、雇用形態といった条件のことです。重なる部分はありますが、確かめる場所が違うので、分けて考えたほうが整理しやすくなります。

条件を作ったら、今の職場でも満たせそうだと分かりました。これでいいのでしょうか?

それは手順が失敗したのではなく、結論が出たということです。異動や転職が必要になるのは、仕事内容や裁量など、今の場所では構造的に変えられない条件が必須に入っていたときだけです。

まとめ|「自分らしい」は、確かめられる言葉に置き換えられる

自分らしいキャリアが見つからないのは、あなたの自己理解が足りないからではありません。手元にある言葉が、まだ確認できる形になっていなかっただけかもしれません。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。

  • 「自分らしい」は形容詞なので、そのままでは求人票でも面談でも判定できない

  • 形容詞を動詞に変え、職種名にも固有名詞にも飛ばさないと、条件として使える

  • 条件は「求人票で読む」「面談で聞く」「今の職場で試す」の三つに割り振る

  • 言葉が出てこないときは、マイジョブ・カードの無料の自己診断から始められる

今日できるのは、大きな決断ではありません。自分が使っている言葉を一つ選んで、表の右側のような形に書き換えてみる。それだけです。一つ書き換えられたら、次に何を確認すればいいかが決まります。分からない欄が残っていても構いません。それは、聞く質問が用意できたということです。あなたの心地よい一歩を、応援しています。

参考資料

  • 労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.258 人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(労働者調査)」設問Q52(実査:2024年10月15日~11月5日/公表:2025年11月19日)
  • 厚生労働省「令和7年度「能力開発基本調査」の結果を公表します」(2026年7月31日)
  • 厚生労働省 マイジョブ・カード「自己診断一覧」「在職者の方へ」
  • note しず「自己紹介|派遣→元メーカー女性エンジニア|36歳でWeb業界に未経験転職」(2025年7月26日)

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akina

MOREARIA 代表 / 編集長

MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。

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