この記事でわかること
- 企業研修の設計プロセスのうち、一人で再現できる部分とできない部分
- キャリアデザインに法令上の定義がない理由と、法律にある「職業生活設計」との関係
- 未来を日付ではなく条件で置き、次の1年だけを具体にする手順
- 会社を公表データで確かめる方法と、無料で使える公的な相談窓口
「女性のキャリアデザイン」と検索して、少し戸惑ったのではないでしょうか。画面に並ぶのは、企業向けの研修プログラムの案内ばかりです。会社が社員に受けさせるための説明であって、あなたが今夜ひとりで机に向かうときの手引きではありません。
これは、あなたの検索の仕方が悪いわけではありません。この言葉は、いまの日本では「企業が社員に提供する研修」の名前として流通していて、個人が自分のために使う言葉としては、まだ場所が整っていないだけです。
ただ、研修の中で行われていること自体は、特別な機密ではありません。この記事では、企業研修の設計プロセスを分解し、条件で置く・残るものに投資する・次の1年だけ決める、という3つの手順に置き換えます。何年後に何をするかを決め切る必要はありません。
キャリアデザインとは何か|法律には「職業生活設計」と書かれている
まず言葉を整理します。「キャリアデザイン」という言葉そのものには、法令上の定義がありません。日本の職業能力開発に関する基本法である職業能力開発促進法を最初から最後まで読んでも、この語は一度も出てきません。研修の名前としては広く使われているのに、制度上の定義がない言葉なのです。
「キャリアデザインの正しいやり方」を探しても見つからないのは、そのためでもあります。ただし、これに非常に近い概念が、別の名前で法律にはっきり定義されています。
職業能力開発促進法にある「職業生活設計」という言葉
職業能力開発促進法の第2条第4項には、職業生活設計とは「労働者が、自らその長期にわたる職業生活における職業に関する目的を定めるとともに、その目的の実現を図るため、その適性、職業経験その他の実情に応じ、職業の選択、職業能力の開発及び向上のための取組その他の事項について自ら計画すること」と定められています。長い一文ですが、要素を抜き出すと4つです。
- 01
長期にわたること
来月や来年の話ではなく、職業生活の全体を対象にしています。短期の目標設定とは区別されています。
- 02
目的を定めること
職種や肩書きではなく「目的」と書かれています。何になるかより、何のために働くかが先に置かれています。
- 03
自分の実情に応じること
適性、職業経験、その他の実情。理想からではなく、いまある材料から考えることが前提になっています。
- 04
自ら計画すること
会社が用意するものではなく、本人が行うものとして書かれています。ここが、この定義のいちばん大きな特徴です。
さらに同じ法律の第3条の3には、「労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとする」とあります。主語が「労働者」であることに気づいたでしょうか。事業主ではなく、働くあなた自身に向けて書かれた条文です。平成27年の改正で追加されました。
先ほど書いたとおり、「キャリアデザイン」という言葉そのものは法律に出てきません。法律に位置づけられているのは、それに近い「職業生活設計」という考え方のほうです。ただ、その職業生活設計が、働く人自身が行うものとして条文に書かれている。意識の高い人だけがやる特別な活動、という扱いではないということです。そう考えると、少し気が楽になるかもしれません。あなたが今それを考えようとしているのは、背伸びでも自己啓発でもありません。
キャリアデザインとキャリアプランは、どう違うのか
この2つはよく混同されますが、この記事では次のように区別します。キャリアデザインは、仕事だけでなく生活や価値観を含めて、今後どんな状態をつくりたいかを構想すること。キャリアプランは、その構想を実現するために、いつ何をするかという目標と行動を決めることです。
設計が先で、計画が後。この順番が入れ替わると、「35歳で管理職」のような、根拠のない年齢目標だけが残ります。なお、キャリアプランのほうは、法令上の定義規定こそないものの、行政文書での説明があります。2026年3月に厚生労働省が告示した第12次職業能力開発基本計画は、キャリアプランを「職業生活の計画」と説明し、個人が「何をしたいか、何ができるか、何が必要か」を考えたうえで立てるものとしています。国がこの言葉をどう使っているかは、ここから読み取れます。
具体的な計画の形を先に見てみたいときは、年代別・職種別のモデルケースをまとめた記事もあります。ただし、例をなぞる前にこの記事の設計の部分を通っておくと、選ぶ基準が自分の中に残ります。
会社が面談をしてくれないのは、違法ではない
もうひとつ、誤解が起きやすい点に触れておきます。同じ法律の第10条の3には、事業主が「労働者の求めに応じてキャリアコンサルティングの機会を確保すること」という記述があります。ここだけを読むと、会社には面談の義務があるように見えます。
ただし条文の書き出しは「事業主は、前三条の措置によるほか、必要に応じ」であり、文末は「するものとする」です。第4条の「努めなければならない」よりも、さらに緩やかな書き方になっています。つまり、すべての会社に一律で定期的なキャリア面談を置く義務がある、という条文にはなっていません。あなたの会社に面談の仕組みがないとしても、そのことだけで直ちに法律違反とはいえない、ということです。裏を返せば、待っていても始まらない場合がある、ということでもあります。
続けられるようになった|でも、続けただけでは足りない
なぜ今、設計という話が出てくるのか。ここは数字で見ておきます。厚生労働省の第13回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)は、2024年に実施されました。この12年間に子どもが生まれた同居夫婦のうち、出産前に妻が働いていた644組について、出産後の妻の就業状況を集計しています。
同じ図表には、10年前から追跡された世代の数字も並んでいます。どちらも第1回調査時に20代だった人を12年間追った調査なので、条件をそろえた比較になります。
| 追跡開始 | 集計対象 | 同一就業継続 | 転職 | 離職 |
|---|---|---|---|---|
| 2002年から | 343組 | 59.2% | 3.5% | 31.8% |
| 2012年から | 644組 | 71.9% | 11.3% | 16.0% |
継続が59.2パーセントから71.9パーセントへ。離職が31.8パーセントから16.0パーセントへ。10年で、はっきりと差が出ています。
NOTE
これらの数値は、厚生労働省「第13回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)の概況」にもとづくものです。調査期日は2024年11月6日で、この調査は第13回をもって終了しています。また、集計の条件は「この12年間にこどもが生まれた同居夫婦のうち、出産前に妻に仕事あり」であり、12年間に2人以上生まれた場合は末子について計上されています。一般に用いられる「第1子出産前後の就業継続率」とは定義が異なります。
数字として確認できるのは、ここまでです。出産をはさんで同じ仕事を続けた人の割合が、10年前の世代より高くなっている。その事実だけです。ここからは編集部の受け止めですが、この差がなぜ生まれたのかを、この調査だけから特定することはできません。制度の変化、職場環境、世代ごとの考え方の違いなど、複数の要素が関わっていると考えられます。原因は、この記事では断定しません。
続けられることと、キャリアが積み上がることは別の話
ここで、もうひとつの資料を重ねます。2026年3月31日に告示された第12次職業能力開発基本計画は、令和8年度から令和12年度までの5年間の計画です。その「女性への支援」の項には、育児や出産等により一旦離職した後に非正規雇用労働者となる場合や、離職せずに継続就業をした場合であってもキャリアアップの機会が制約される傾向もあることから、雇用の質や能力発揮のためのキャリア形成の面にも焦点を当てていくべきである、と書かれています。
続けた場合であっても機会が制約される傾向がある、と国の計画が明記しています。つまり、こういうことです。続けられるようにはなった。けれど、続けただけでは足りない。だから今、設計という言葉が必要になっています。
同じ計画には、雇用と仕事を取り巻く環境の変化が激しくなる中、労働者個人が単独で、労働市場や会社の状況、自分の能力等を適切に把握して、キャリアの目的を定め、それに向かって能力開発を行うことは難しくなってきている、という一文もあります。一人で組み立てるのが難しくなっている。それは、国の側も認めていることです。うまく描けないとしたら、あなたの努力が足りないからではないのかもしれません。
企業研修では何が行われているのか|公開されている目次を読む
では、検索上位を占めている研修の中身を見ていきます。結論を先に言うと、扱われている要素の多くは一人でも再現できます。再現しにくいのは、内容そのものではなく「場」のほうです。
公開されている研修プログラムの構成
研修の中身は、各社が自社サイトで公開しています。ここでは、検索結果の上位に表示されるSMBCコンサルティングの女性社員向けプログラムの構成を例に見ていきます。同社が公開している目次は、おおむね次の順に進みます。
- 01
自分たちを取り巻く環境を理解する
働き方の変化やライフイベントについて、まず全体像を共有するところから始まります。
- 02
これまでの仕事と人生を棚卸しする
担当してきた業務、成果、うまくいかなかったこと、身についた力を書き出します。
- 03
これからの仕事とありたい姿を考える
棚卸しで出てきた材料をもとに、これから先の方向を検討します。
- 04
女性同士の社内ネットワークをつくる
同じ立場の社員が集まり、互いの考えを共有する時間が組み込まれています。
- 05
これからの自分づくりへまとめる
最後に、明日からの行動へと着地させます。
順に見ると、外側の環境から入り、過去へ戻り、そこから未来へ進み、他者との関係を経て、自分の行動に着地する流れになっています。
ここからは編集部の整理です。この流れのうち、環境の理解、過去の棚卸し、将来像の検討、行動への落とし込みは、一人でも進められます。一方、社内ネットワークをつくる部分は、集合研修という場があるから成り立っています。切り分けるとしたら、この線です。
なぜ「棚卸し」が「将来像」より先なのか
順番の中で、ひとつだけ意味を補足しておきます。未来像を先に考えると、「管理職になりたい」「資格を取りたい」といった、どこかで見た目標が出てきやすくなります。自分が本当に何に反応してきたのかではなく、世の中で立派とされているものを書いてしまうのです。
過去の事実を先に並べるのは、そこから逆算するためです。実際に選んできたこと、続けられたこと、苦にならなかったことのほうが、頭で考えた理想より正確な情報を含んでいます。
ここも編集部の整理ですが、棚卸しをするときは、書き出した経験をそのまま眺めるのではなく、3つの方向に分けると扱いやすくなります。何ができるようになったか。何をしているときに苦にならなかったか。何を失ったときに強く不満を感じたか。能力、動機、価値観の3方向です。
「強みはコミュニケーション力です」といった抽象語で止めないことが要点です。先に事実を書き、そこから能力を取り出す順番にします。過去の棚卸しそのものを丁寧にやりたい場合は、社会人向けの自己分析の手順をまとめた記事も参考になります。
研修だから成立している要素と、その代わりになるもの
正直に言うと、研修の価値の大きな部分は、内容そのものより「考えるための時間が強制的に確保されること」と「他人の視点が入ること」にあります。この2つは、一人では自然には手に入りません。
考える時間については、カレンダーに予定として入れてしまうのが確実です。研修が半日から1日を使っていることを踏まえると、細切れの隙間時間だけで終わらせるのは難しいと考えたほうが現実的です。
他人の視点のほうは、少し工夫が要ります。求人票を読んで自分の経験がどう書かれているかを見る。信頼できる同僚や元同僚に、自分の強みを聞いてみる。同じ職種の経験者に話を聞く。いずれも、自己評価だけに偏らないための装置です。
もうひとつ、公的な選択肢があります。厚生労働省の委託事業として、全国47か所のキャリア形成・リスキリング支援センターと、全国のハローワーク内に設置された相談コーナーで、キャリアコンサルティングを無料で受けられます。1回60分、対面またはオンライン。在職中の方も対象です。
利用にあたって知っておきたい点が2つあります。ひとつは、この事業では職業紹介を行っていないこと。転職先を紹介してもらう窓口ではありません。もうひとつは、事前にジョブ・カードという書類を作成したうえで実施されること。ただし、全部書けていなくても申し込みは可能とされています。
キャリアコンサルティングという言葉は、職業能力開発促進法の第2条第5項に定義があります。職業の選択だけでなく、職業生活設計や能力開発についての相談に応じ、助言や指導を行うこと。つまり、この記事で扱っている設計そのものを、一緒に見てもらえる場です。
一人で進めるための材料と順番|条件で置き、残るものに投資する
ここからが本題です。研修の流れを、一人で実行できる形に置き換えます。決め方の軸は3つ。条件で置くこと、残るものに投資すること、次の1年だけを具体にすることです。
将来を「日付」ではなく「条件」で置く
一人で年表をつくるときに、いちばんつまずくのがここです。何歳で結婚する、何歳で出産する、何歳で管理職になる。そう書こうとして、書けなくて止まる。当然です。それらは、あなた一人では決められないことだからです。
Yahoo!知恵袋には、2025年8月に「今年で30歳、結婚を控えている女」と明記した投稿があります。転職したい業界も決まっていて、子どもも希望していて、キャリアも続けたい。それでも順番が決められない、という相談です。この投稿者は、本文の中で「30代の女性のキャリア設計って難しい」と書いています。
同じ知恵袋の2023年1月には、「40歳女性です」と書き出す別の投稿があります。この投稿者は2か月前に転職したばかりで、薬剤師として責任者を任されており、辞めたくないと考えています。ところが夫が転職活動を始め、転職先が海外勤務のある会社になりそうだという。辞めるなら3月の契約更新のタイミングだろう、というところまで具体的に考えています。それでも決められません。変数が、自分ではなく配偶者の側にあるからです。
この2件は、性質が違います。前者は自分の身に起こりうることの時期が読めない。後者は、他人の選択によって自分の前提が突然変わる。どちらも「考えが足りない」わけではありません。むしろ、考えているからこそ止まっています。
だから、日付ではなく条件で置きます。「32歳で出産する前提で考える」ではなく、「今後、仕事に使える時間が大きく減る時期が来たとして、そのとき何が残っているか」と考える。これなら、いつ起きるかを当てる必要がありません。
この発想は、1999年にミッチェル、レビン、クランボルツの3名が発表した計画的偶発性理論とも重なります。予期しない出来事を排除しようとするのではなく、起きることを前提にして、そこから機会を拾える行動を増やす、という考え方です。日本では「クランボルツの理論」として紹介されることが多いのですが、原典の著者は3名です。
役割の側から見る方法もあります。これも編集部の整理です。キャリアを職歴だけで捉えるのではなく、これから担うことになる複数の役割の組み合わせとして眺めてみる。働く人、家族の一員、学ぶ人、地域の一員、自分の時間を持つ人。働く人であることは、そのうちのひとつです。
この見方が役に立つのは、結婚や出産や介護を「キャリアを邪魔する外部イベント」として扱わずに済むからです。役割が増えたときに、どの役割にどれだけの時間と気持ちを配分するのか、という問題として扱えます。
紙に、これから5年から10年のあいだに重くなりそうな役割を書き出してみてください。仕事、家族、学び、健康、地域、余暇。そして、そのうちのどれかが急に重くなったとき、働く人としての自分に何が残っていてほしいかを考えます。決めるべきは、未来そのものではなく、どの未来でも失いたくないものです。
どの状況でも残るものに、先に投資する
役割の重なりを見たうえで、次に決めるのが投資の順番です。判断の材料になるのは、次の3点です。
- 01
状況が変わっても価値が残るか
勤務地や勤務時間の条件が変わったとき、手元に残るものかどうかを見ます。
- 02
今の仕事の中でも使えるか
将来のためだけの投資は続きません。いま担当している業務で使えるものから始めます。
- 03
社外に対して証明できるか
社内でしか通じない実績は、環境が変わったときに説明しづらくなります。
この3点を満たすものから先に手をつけます。実務経験、専門スキル、業務改善の経験、データを扱う力、社外の人とのつながり、公的資格。資格から入らないのが要点です。資格は手段であって、先に必要な力を特定してから選ぶものだからです。判断の基準そのものを整理したい場合は、選択肢を1枚の表で比べる手順をまとめた記事もあります。
会社の側を数字で確かめて、次の1年を決める
自分の側を整理したら、環境の側も見ておきます。2026年4月1日に施行された改正女性活躍推進法により、常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主についても、男女間賃金差異の情報公表が必須項目になりました。301人以上の事業主については、2022年7月からすでに義務化されています。なお、常時雇用する労働者が101人以上の事業主には、一般事業主行動計画を策定して労働局に届け出る義務もあります。
公表された情報は、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」で調べられます。制度があるかどうかだけでなく、実際に女性がどれだけ継続して働き、どれだけ管理職になっているかを、企業ごとに確認できます。求職者向けの案内も用意されています。「育休が取りやすい会社です」という説明と、公表された数字とを、両方見る。これは、設計の中で意外と見落とされやすい工程です。
NOTE
この記事は2026年8月時点の情報にもとづいています。改正女性活躍推進法には、2026年10月1日に施行される部分もあります。施行日をまたぐと公表項目の内容が変わる可能性があるため、実際に企業を調べるときは、厚生労働省の女性活躍推進法特集ページで最新の情報を確認してください。
そのうえで、最後の工程です。5年から10年先については、方向だけ決めます。「場所や時間の制約が増えても続けられる専門性をつくる」といった粒度で十分です。具体的にするのは、次の1年だけ。そこから、今月やること、今週やることへと下ろしていきます。
そして、見直しの条件を先に決めておきます。第12次職業能力開発基本計画にも、キャリアプランについて「定期的に振り返り、状況に応じて見直す」ことが前提として書かれています。間隔の指定はありませんので、あなたの生活に合う頻度で構いません。結婚、出産、介護、異動、転職、会社の制度変更、収入の大きな変化。そういうことが起きたときに開き直せばいい、という置き方です。計画を変えることは、失敗ではありません。見直しまで含めて、設計です。
MOREARIAでは、先が見えないなかで一歩を選んできた女性たちのインタビューを多数掲載しています。整った成功談だけではなく、迷いながら決めてきた過程のリアルな物語が、あなたの設計に足りなかったものを見つけるヒントになるはずです。
女性のキャリアデザインに関するよくある質問
最後に、キャリアデザインを始めるときに多く聞かれる疑問を3つ整理しておきます。
キャリアデザインは、何歳までにやっておくべきですか?
年齢の期限を示した公的な基準はありません。職業能力開発促進法が定める「職業生活設計」は「長期にわたる職業生活」を対象としており、特定の年齢で完了するものとしては書かれていません。「30代までに固めるべき」といった言い方は、今回参照した資料からは導けませんでした。
やりたいことが決まっていなくても、始められますか?
始められます。この記事の手順は、職業を決めることをゴールにしていません。増やしたい経験、守りたい条件、避けたい状態、次に試すこと。この4つが言える状態になれば、設計としては十分に機能します。
会社にキャリア面談の制度がありません。不利ですか?
制度がないことだけで、直ちに法律違反とはいえません。職業能力開発促進法の第10条の3は「必要に応じ」という留保つきの規定で、すべての会社に一律の面談設置を求める条文にはなっていません。ただし、社内に機会がないなら、社外の無料相談を使う選択肢があります。この記事で紹介したキャリア形成・リスキリング相談コーナーは、在職中でも利用できます。
まとめ|読めないことを前提に、設計する
先が読めないから設計できないのではなく、読めないことを前提にした設計の方法があります。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
キャリアデザインに法令上の定義はないが、職業能力開発促進法には「職業生活設計」が定義され、労働者自身が行うものとして書かれている
出産をはさんで同じ仕事を続ける人は10年前の世代より増えた一方、続けた場合でも機会が制約される傾向を国の計画が明記している
研修の価値の多くは「時間の確保」と「他人の視点」にあり、一人で進めるならこの2つを意識して補う
未来は日付ではなく条件で置き、どの状況でも残るものから順に投資する
今日できることは、紙を1枚用意して、これから5年のあいだに重くなりそうな役割を書き出してみることです。それだけで、決めるべきことと、決めなくていいことの境目が少し見えてきます。今日、その1枚を書いてみる。それだけでも、あなたの世界を確実に広げる前進です。あなたの心地よい一歩を、応援しています。
参考資料
- 厚生労働省「第13回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)の概況」(2024年調査)
- 厚生労働省「職業能力開発基本計画」(令和8年3月31日厚生労働省告示第169号)
- 職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)
- 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
- 厚生労働省委託事業「キャリア形成・リスキリング推進事業」
- Mitchell, K. E., Levin, A. S., & Krumboltz, J. D.「Planned Happenstance: Constructing Unexpected Career Opportunities」Journal of Counseling & Development 第77巻第2号 (1999年)
SUPERVISED BY
akina
MOREARIA 代表 / 編集長
MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。
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