この記事でわかること
- 「失敗が怖い」のは、あなただけではない理由
- 漠然とした怖さを、対処できる形に分解する考え方
- 怖さから一歩を踏み出した女性の想定ケース
- 「小さく試す」で失敗を現実的なサイズにする方法
「起業してみたい。その気持ちはあるのに、『失敗したらどうしよう』が頭から離れない」。そんなふうに、一歩手前で立ち止まっているあなたへ。
まず伝えたいのは、失敗を怖いと感じるのは、あなたが真剣だからだということです。どうでもいいことなら、人は怖がりません。大切にしたいからこそ、慎重になる。その慎重さは、決して弱さではありません。
この記事では、「失敗が怖くて起業に踏み出せない」という気持ちと、どう向き合っていくかを、一緒に考えていきます。無理に「怖がるな」とは言いません。怖さを抱えたままでも、一歩を軽くする方法があります。焦らず、読み進めてください。
「失敗が怖い」のは、あなただけではない
まず知ってほしいのは、その怖さを感じているのは、あなただけではないということです。むしろ、起業に関心を持つ多くの方が、同じ不安を抱えています。
日本政策金融公庫の2024年度の調査では、起業に関心はあるのにまだ踏み出せていない理由として、「失敗したときのリスクが大きい」が2番目に多く挙げられています(出典)。つまり、「怖くて踏み出せない」というのは、特別なことでも、恥ずかしいことでもなく、とても自然な気持ちなのです。
怖いと感じる自分を、責めなくて大丈夫です。その気持ちを否定するのではなく、「怖いよね」と一度受け止めたうえで、どうすれば少し軽くなるかを考えていきましょう。むしろ、怖さをまったく感じない人のほうが、準備不足のまま突っ込んでしまうこともあります。あなたが慎重なのは、それだけ物事を大切に考えられる証なのです。
怖さの正体を、分けて考えてみる
「失敗が怖い」と一言で言っても、その中身はさまざまです。怖さの正体を分けて見てみると、意外と対処できるものが多いことに気づきます。漠然とした大きな不安ほど、正体が見えないぶん、大きく感じてしまうものだからです。
試しに、「何が怖いのか」を分けて、それぞれに手を打てないか考えてみましょう。表にすると、こんなふうに整理できます。
| 怖さの中身 | 対処の方向 |
|---|---|
| お金を失うのが怖い | 費用をかけず、小さく始める |
| 周りにどう思われるか怖い | 最初は誰にも言わずに始める |
| 続けられるか怖い | まず1か月だけ試してみる |
| 売れなかったらと思うと怖い | 知人ひとりに試しに売ってみる |
こうして分けてみると、それぞれに小さな一歩が見えてきます。正体の見えない不安を、紙に書き出して分解するだけでも、怖さはずいぶん扱いやすくなります。
怖さから一歩を踏み出した女性のケース
ここで、失敗が怖くて動けなかった女性が、どうやって一歩を踏み出したのか、想定ケースを見てみましょう。特定の個人ではなく、よくあるパターンをもとにした想定ケースですが、自分ごととしてイメージするヒントになるはずです。
ハンドメイドのアクセサリー作りが好きな30代の方。「いつか自分の作品を売ってみたい」という気持ちは、何年も前からありました。でも、「こんなもの、お金を出して買う人なんているのかな」「売れなかったら恥ずかしい」という怖さから、2年近く、何も行動できずにいたそうです。
転機になったのは、「いきなり大きく始めなくていい」と気づいたことでした。お店を借りるわけでも、大量に在庫を作るわけでもなく、まずはフリマアプリに1つだけ出品してみることにしたのです。それなら、売れなくても失うものはありません。結婚や出産を意識するなかで「小さくでも、自分の好きを形にしたい」という思いも、背中を押しました。
結果はどうだったか。最初の1か月は、まったく売れませんでした。それでも、「売れない」という経験から、写真の撮り方や説明文を見直すヒントが得られました。少しずつ改善するうちに、初めて1つ売れたときの喜びは、大きかったといいます。今も大きく稼げているわけではありませんが、「あのとき、怖くても小さく試してよかった」と、この方は振り返っています。
このケースが教えてくれるのは、怖さは「消してから動く」ものではなく、「抱えたまま、小さく動いてみる」ことで軽くなっていく、ということです。
「小さく試す」なら、大きく失敗しない
失敗の怖さを軽くする、一番の方法があります。それは「小さく試す」ことです。いきなり大きく始めるから、失敗も大きく感じるのです。
日本政策金融公庫の2024年度調査によると、起業した方全体のうち、起業費用が「かからなかった」という方が約3割、自己資金だけで始めた方が6割を超えています。多くの方が、大きなお金をかけずにスタートしているのです。つまり、起業は必ずしも「全財産を賭ける大勝負」ではありません。
会社を辞めてから起業する必要も、必ずしもありません。働きながら、あるいは家事や育児の合間に、少しずつ始める方も多くいます。収入の柱を残したまま試せば、「うまくいかなかったらどうしよう」という不安も、ぐっと小さくなります。まずは、失っても痛くない範囲で、一歩を踏み出してみましょう。
HINT
あなたの「怖い」を、小さく試せる形にすると?
たとえば「お店を開くのが怖い」なら、まずは1日だけのイベント出店から。「商品が売れるか怖い」なら、まず知人に1つ売ってみる。大きな夢を、試せるサイズに切り分けてみましょう。
失敗は「終わり」ではなく「情報」
もうひとつ、怖さを軽くする考え方があります。それは、失敗を「終わり」ではなく「情報」として捉えることです。
うまくいかなかったとき、それは「自分はダメだ」という証明ではありません。「このやり方は合わなかった」という、次に活かせるデータが手に入っただけです。実際、うまくいっている方の多くは、いくつもの小さな失敗を経て、自分に合うやり方を見つけています。失敗せずに最初からうまくいった方のほうが、むしろ少ないのです。
先ほどのケースでも、「1か月売れなかった」ことが、写真や説明文を見直すきっかけになりました。売れなかったのは失敗ではなく、「ここを直せばいい」という情報だったのです。一般に、うまくいかなかった経験を振り返り、次に活かすことが大切だとされています。
大切なのは、失敗したときに「やっぱりダメだった」で終わらせず、「何が分かったか」を拾うことです。そう考えられると、失敗は怖いものから、学びの一部に変わっていきます。一つひとつの経験が、あなたを次の一歩へ進めてくれるのです。
「撤退」も、前向きな選択
「もし途中でやめることになったら、それは失敗だ」。そう思うと、始めるのが怖くなります。でも、撤退は失敗ではありません。
最初に「これくらいやってみて、うまくいかなければ一度やめる」という線を決めておけば、ずるずると消耗することもありません。やめることは、逃げでも敗北でもなく、自分を守り、次に進むための冷静な判断です。「いつでもやめていい」と思えると、かえって一歩を踏み出しやすくなります。
MOREARIAでは、失敗や迷いを重ねながら、自分らしい働き方を見つけた女性たちのインタビューを多数掲載しています。華やかな成功談だけではなく、つまずきながら前に進んできたリアルな物語が、あなたの一歩のヒントになるはずです。
起業の不安に関するよくある質問
最後に、起業をためらう方からよく寄せられる疑問にお答えします。
失敗が怖くて一歩が踏み出せないときは、どうすればいいですか?
その怖さは自然なものです。無理に大きく踏み出す必要はありません。今の生活を続けながら、小さく試すことから始めてみてください。小さく始めれば、失うものも小さくてすみます。
起業に失敗したら、人生が終わってしまいますか?
小さく始めていれば、一度うまくいかなくても、やり直しはできます。失敗は「終わり」ではなく、「このやり方は合わなかった」という次への情報です。一度で決まるものではありません。
周りに反対されそうで踏み出せないときは、どうすれば?
最初は、誰にも言わずに小さく始める方法もあります。少し形になってから伝えれば、周りの反応も変わることがあります。まずは、自分のペースで試してみましょう。
まとめ|怖いままでも、小さく始めていい
失敗が怖いのは、あなたが真剣だからです。その気持ちを無理に消そうとせず、小さく試すことで、怖さは現実的なサイズに変えられます。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
「失敗が怖い」のは自然な気持ちで、あなただけではない
怖さは分解すると、ひとつずつ対処できる
「小さく試す」なら、失敗しても失うものは小さい
失敗は「終わり」ではなく、次に活かせる「情報」
まずは、あなたのやりたいことを「小さく試せる形」に、一つ切り分けてみる。それだけでも、大きな怖さが、扱えるサイズに変わります。完璧に怖さが消えなくても構いません。怖さを抱えたままでも大丈夫。あなたの一歩を、そっと応援しています。
SUPERVISED BY
akina
MOREARIA Inc. 代表 / MOREARIA編集長
MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。
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