この記事でわかること
- 「転職の失敗」は4種類に分けられ、取り返しやすさがまったく違うこと
- 応募・面接・内定の段階では、今の勤務先との雇用関係は変わらないこと
- 厚生労働省が、退職の意思表示は慎重にと注意を促していること
- 入社後の撤退ラインを、入社前に決めておく方法
「転職したい」と思ってから、どのくらい経ったでしょうか。求人は見ている。気になる会社もある。条件を確かめて、通勤時間も調べて、ここならと思う。それなのに、応募ボタンだけが押せない。
押せない理由が「自分に自信がないから」ではないことは、たぶんご自身が一番わかっています。仕事はしてきた。評価もされてきた。それでも動けないのは、失敗したときのことが怖いからです。年収が下がったらどうしよう。また人間関係で苦しんだらどうしよう。半年で辞めたくなったらどうしよう。そして、辞めた会社にはもう戻れない。
この記事では、その怖さを「気のせい」とは言いません。むしろ逆に、怖がっている「失敗」の中身を、ひとつずつ開けていきます。開けてみると、失敗にはずいぶん種類があって、しかも取り返しやすさがまったく違うことがわかります。そして、いま止まっている場所が、本当に慎重になるべき地点なのかどうかも見ていきます。
「転職の失敗」を、ひとつの言葉で呼ばない
「転職に失敗したらどうしよう」と考えているとき、頭の中では複数のことが同時に起きています。年収の話、人間関係の話、経歴の話。それらが「失敗」という一語にまとめて詰め込まれているので、実際より大きく重く感じられます。まずは、この塊をほどきます。ここでの基準は「起きたら嫌かどうか」ではありません。起きたときに、何を失って、何は失わないのかです。
- 01
年収が下がる
その期間の差額は戻らないが、水準そのものは昇給や次の転職で変えられる
- 02
聞いていた話と違う
書面で明示された条件との差なら、確認できる事実の問題に変換できる
- 03
人間関係が合わない
部署異動や再転職で変えられる。ただし組織になじむことは個人の相性とは別
- 04
前職に戻れない
最も戻しにくい一点。ただし完全に閉じているわけでもない
年収が下がるという失敗は、どこまで戻せるか
転職で最も具体的に想像しやすい失敗が、収入の低下でしょう。実際の数字を見てみます。マイナビが2025年に転職した正社員1,446名に行った調査では、転職前の平均年収514.5万円に対し、転職後は533.7万円。全体では平均19.2万円の増加でした。女性を年代別に見ると、20代が4.3万円増、30代が15.6万円増、40代が17.3万円増、50代のみ16.9万円の減少となっています。
つまり、「転職すれば下がるのが普通」でも「上がるのが当たり前」でもありません。年代によっても大きく違います。
大事なのは、この失敗がどこまで戻せるかです。その年に受け取れなかった収入そのものは、戻ってきません。ここは正直に見ておく必要があります。一方で、翌年以降の昇給、評価の見直し、さらに次の転職によって、水準そのものは変えられます。年収は一度決まったら固定される数字ではなく、更新され続ける数字だからです。
失うのは「その期間の差額」であって、「これから先の年収の上限」ではありません。ここを混同すると、実際より大きな損失に見えてしまいます。
「聞いていた話と違う」という失敗
面接で説明された仕事と、入ってからの実際の仕事が違う。これも多くの方が恐れるパターンです。この失敗は、性質の違う2つに分かれます。ひとつは、書面で明示された条件と違う場合。もうひとつは、明示はされていなかったが、想像と違った場合です。
前者は、感覚の問題ではなく、確認できる事実の問題です。厚生労働省は、働き始めた時や初めての給料を受け取った時に、実際の労働条件が当初約束した労働条件と違っていた場合、労働条件が約束どおりになっていないことを理由に、即時に退職できるとしています(労働基準法15条)。後者は、上司への確認、担当業務の調整、部署異動といった手段が先に来ます。
どちらであっても、明示された労働条件が手元で確認できるかどうかで対応がまったく変わります。「なんとなく違う気がする」を「明示された条件と、ここが違う」に変えられるかどうかの分かれ目です。この失敗は、書面が残っている限り、かなりの部分が確認可能な問題に変換できます。
人間関係が合わないという失敗
おそらく、事前にいちばん確かめにくい不安です。求人票にも面接にも、その答えは書いてありません。ところが調査を見ると、少し意外な結果が出ています。
先ほどと同じマイナビの調査で、入社した企業での人間関係の構築について尋ねたところ、「簡単だった」とする回答が合計51.5%だったのに対し、「難しかった」は合計18.0%でした。半数以上が、思ったより人間関係は作れていることになります。
一方で、同じ調査の別項目では逆の結果が出ます。入社した企業でのカルチャーフィット、つまり組織の文化になじむことについては、「難しかった」が31.7%で、「簡単だった」の26.6%を上回りました。この調査の中で、難しかったが簡単だったを上回った項目は、カルチャーフィットだけです。
この調査では、人間関係の構築よりも、カルチャーフィットのほうを「難しかった」とする割合が高くなっていました。私たちが「人間関係が合わなかったらどうしよう」と考えるとき、想像しているのは特定の上司や同僚との相性です。けれどこの調査で難しいとされた割合が高いのは、個人との相性ではなく、組織になじむことのほうでした。恐れている対象と、調査上で難しいとされているものが、少しずれている可能性があります。
そしてもうひとつ。人間関係が理由で今の職場がつらい場合、それが個人の問題なのか組織の問題なのかを見分けることが、転職を考えるかどうかの手前にあります。この見分け方については、人間関係がつらい女性へ|辞める前の判断基準で扱っています。
前職に戻れないという、取り返しのつかない失敗
ここまで見てきた失敗には、程度の差はあれ、修正する手段がありました。そして最後に残るのが、いちばん戻しにくいものです。今の会社を辞めたという事実そのものです。
勤続年数、社内での信用、慣れた仕事、把握している人間関係。これらは辞めた時点で、自動的には戻ってきません。退職した会社に復職する権利が労働者にあるわけでもありません。「取り返しのつかない失敗」という言葉が頭に浮かぶとき、その中身は実は、ほとんどこの一点です。
ただし、ここには続きがあります。戻る道が完全に閉じているかというと、そうでもない。この点は記事の後半で、企業側の調査データとあわせて見ていきます。
引き返せる地点は、思っているより先にある
ここまでで、失敗が一枚岩ではないことを見ました。次に確かめたいのは、その失敗が、いつ起きるのかです。いま応募ボタンの前で止まっているとして、そこで止まっていることに意味があるのかどうか。順番に確認していきます。
- 01
応募・書類選考・面接
今の勤務先との雇用関係は変わらない。辞退すればそこで終わる
- 02
内定・内定の承諾
辞退の余地は残る。ただし決めたら早めに伝えるのが実務上は適切
- 03
今の会社へ退職を伝える
厚生労働省が「慎重に検討を」と注意を促しているのは、この地点
- 04
入社・試用期間
終点ではない。判断の余地は入社後にも残っている
応募しても、面接を受けても、まだ何も失っていない
応募から内定の段階までは、今の会社との雇用関係そのものは変わりません。応募したことも、面接に行ったことも、内定を受け取ったことも、今の勤務先に自動的に伝わるものではありません。辞退すれば、それで終わります。ここは重要なので、もう一度書きます。応募することは、辞めることではありません。
実際、選考の途中で辞退する方は珍しくありません。先ほどの調査では、選考を辞退した経験のある転職者689名に理由を聞いており、給与が低かった24.4%、仕事内容が想定と違った19.2%、勤務地17.3%、社風が合わないと感じた17.1%といった回答が並んでいます。転職に成功した方々の中に、途中で引き返した経験を持つ方が相当数いるということです。引き返すことは、失敗ではなく、選考のうちに入っています。
もし「応募して落ちたらどうしよう」という気持ちのほうが強い場合は、それは転職の失敗というより、今の自分をどう評価しているかの話に近いかもしれません。その場合は「仕事に自信がない…」女性が毎日しんどくなる本当の理由もあわせてどうぞ。
分岐点は、退職を伝えたとき
では、どこから引き返しにくくなるのか。厚生労働省は、退職の意思表示について次のように整理しています。退職願のように会社との合意による退職を申し込んだ場合は、会社が承諾するまでの間は撤回できる。一方、会社が承諾した後は、労働者が一方的に撤回することはできません。そのうえで同省は、退職の意思表示は容易には撤回が認められないため、慎重に検討したうえで行うことが大切だとしています。
ここで押さえておきたいのは、厚生労働省が「慎重に」と注意を促しているのが、退職の意思表示についてだということです。理由は撤回の難しさにあります。もちろん、応募や面接が軽い決断だという意味ではありません。ただ、撤回できるかどうかという観点で線を引くなら、その線は応募ボタンの上ではなく、退職を伝えるところにあります。
時間の使われ方を見ても、同じことが言えます。同じマイナビの調査によると、2025年に転職した方のうち74.3%が在職中に転職活動をしていました。また、内定の獲得から転職先への入社までは平均48.5日、前職を退職するまでは平均38.5日でした。内定を得たその日にすべてが動くわけではなく、退職や入社までには一定の期間があります。決断はその期間の中で行われるものであって、応募ボタンの上では行われていません。
NOTE
ここまでの転職者に関する数値は、マイナビが2026年3月23日に公表した「転職動向調査2026年版(2025年実績)」にもとづくものです。2025年12月に実施され、2025年に転職した20〜50代の正社員1,446名が回答しています。この調査は毎年3月に更新されるため、最新の数値は公表元でご確認ください。
入社しても、試用期間も、終点ではない
もうひとつ、誤解されやすい地点があります。「試用期間中は、合わなくても辞められない」と考えている方がいますが、これは仕組みとして正確ではありません。試用期間は雇用契約を結ぶ前のお試し期間ではなく、すでに労働契約が成立している期間です。
そのため、労働者側の退職についても、期間の定めのない契約であれば通常のルールが基本になります。厚生労働省も、無期の労働契約について、原則として2週間前までに退職を申し入れることと案内しています。試用期間だから辞められない、という特別な制限があるわけではありません。さらに、先ほど触れた労働基準法15条があります。明示された労働条件と実際が違っていた場合には、即時に退職できるとされています。
入社は、決断の完了地点ではありません。入社してからも、判断できる余地は残っています。だからこそ、入社後に何を見て、どう判断するかを先に決めておくことに意味が出てきます。
入社後の撤退ラインを、入社前に決めておく
判断の基準は、入社してから作るものではありません。入社後は情報が一気に増えて、疲れも溜まり、「せっかく転職したのだから」という気持ちも働きます。冷静な線を引きにくい状態です。だから先に決めておきます。これは「失敗を前提にする」ことではありません。引き返す条件を持っていると、思い切って進めるというだけのことです。
待たずに確認するもの
まず、「三か月は様子を見よう」の対象にしてはいけないものがあります。
明示された賃金と、実際に支払われた額が違う
明示された職種や勤務地と、実際が明らかに異なる
約束された雇用形態と違う
ハラスメントがある
安全上の重大な問題がある
賃金が支払われない
これらは、慣れの問題でも相性の問題でもありません。確認すべき事実の問題です。厚生労働省は、働き始めた時や初めての給料を受け取った時に、実際の労働条件が当初約束した労働条件と違っていた場合、労働条件が約束どおりになっていないことを理由に即時に退職できるとしています。詳しい整理は同省の確かめよう労働条件にまとまっています。
ここでまず比べるべきなのは、求人広告のイメージではなく、会社から最終的に明示された労働条件です。労働条件通知書など、交付された書面は手元に残しておいてください。
一度きりか、続いているかで分ける
次に、判断が難しい種類のものです。たとえば面接で「残業は月10時間程度」と聞いていたのに、初月が35時間だったとします。これだけでは、まだ判断できません。繁忙期かもしれない、引き継ぎ期間かもしれない、たまたまかもしれない。ここで使えるのが、一度きりか、続いているかという基準です。
差が出たときに、その場で結論を出さず、記録します。そして「二か月続いたら、上司か人事に確認する」「確認しても改善の見通しが示されないなら、見直しの対象にする」と、あらかじめ決めておきます。記録するのは、感想ではなく差分です。
聞いていた条件と、実際
それが何回、何か月続いたか
誰にいつ確認したか
どう回答されたか
「なんとなくつらい」は判断材料になりませんが、「三か月連続で、聞いていた条件と大きく違い、確認しても回答がない」は判断材料になります。
30日・60日・90日で見るもの
期間の区切り方も、先に決めておくと迷いが減ります。なお、公的機関が「転職後は必ず三か月続けるべき」といった基準を定めているわけではありません。以下は行政が定めた基準ではなく、公表資料をもとに編集部が整理した実務上の目安です。
入社から30日は、事実を集める期間です。実際の業務内容、出退勤の時刻、給与明細、研修や引き継ぎの有無を確認します。この時期に「まだ仕事がわからない」「馴染めない」と感じるのは自然なことなので、それ自体を判断材料にはしません。
31日から60日は、一時的か通常運転かを見る期間です。集めた事実が繁忙期特有のものなのか、これが平常なのかを見ます。判断がつかなければ、上司に直接尋ねてかまいません。「この働き方は繁忙期だけでしょうか、それとも通常も同じでしょうか」という質問は、失礼にはあたりません。
61日から90日は、改善の見通しを見る期間です。問題を伝えた、改善すると言われた、時期も確認した。それでも変わらない。ここまで来て初めて、「そのうち良くなる」という期待以外の選択肢を検討します。ただし前項に挙げた、待たずに確認するものは、この90日の枠に入れません。
入社前に確かめられること、確かめられないこと
撤退ラインが必要な理由は、事前確認には限界があるからです。ここは正直に書きます。マイナビの調査で、面接時の想定と入社後のギャップについて尋ねた結果があります。今後1年以内に転職を希望する747名が回答したもので、挙がったのは、必要とされるストレス耐性27.7%、自分と企業との相性27.4%、求められる仕事への熱意や意欲25.3%、周りの社員の勤務態度25.0%、求められる論理的思考能力24.8%、価値観のマッチング24.6%、人事評価や昇給の仕組み24.2%、仕事の進め方23.4%でした。
上位の項目はいずれも23から28%の範囲に収まっており、突出したものはありません。そして注目したいのは、並んでいるものの性質です。ストレス耐性、相性、熱意、価値観、仕事の進め方。これらはすべて、求人票を何度読み返しても書いていないものです。会社見学に行っても、面接を重ねても、完全には確認できません。
一方で、同じ調査の別の設問では、応募をためらう理由として「会社の雰囲気が分かりにくい」24.3%、「仕事内容が分かりにくい」22.5%が挙がっています。こちらは、調べれば減らせる不安です。
つまり、不安は二種類あります。調べれば減るものと、どれだけ調べても残るもの。前者は行動で減らす。後者は、事前に消すのではなく、起きたときの対処を決めておく。それが撤退ラインです。「完璧に準備すれば失敗しない」という考え方は、後者の存在を認めていないぶん、かえって動けなくします。
戻る道はあるのか
最後に、前半で残しておいた「取り返しのつかない失敗」に戻ります。今の会社を辞めた、という事実です。ここについても、想像だけで結論を出す前に、実際の数字を見ておきます。
出戻りは、例外的な裏技ではない
企業側の調査から見てみます。マイナビが2026年4月に企業849件に行った調査では、アルムナイ採用、つまり退職した元社員を採用する仕組みを現在実施している企業は43.6%でした。規模が大きくなるほど割合は高く、大企業では半数以上が実施しています。
個人側はどうでしょうか。同じ調査で中途入社経験のある正社員1,005名に尋ねたところ、実際に出戻り転職をした経験がある方は10.5%。「したことはないが、今後検討している」と合わせると、約3割が出戻りを視野に入れているという結果でした。
そして、出戻りをした方311名に理由を聞いた結果、最も多かったのは「以前退職した会社の問題点が現在は解消されている」でした。ここは丁寧に読みたいところです。出戻りは「我慢して元の場所に帰る」ことだと思われがちですが、実際に戻った方が挙げる理由の一位は、会社の側が変わっていたからです。時間が経つと、変わるのは自分だけではありません。
NOTE
出戻りとアルムナイ採用に関する数値は、マイナビが2026年4月30日に公表した「2026年3月度 中途採用・転職活動の定点調査」にもとづくものです。2026年4月1日から7日に実施され、企業849件、中途入社経験のある正社員1,005名が回答しています。この調査は毎月実施されており、項目によって回答数が異なります。
ただし、保険にはできない
一方で、同じ調査で個人側の約7割は「今後も出戻りを検討する予定はない」と答えています。誰にとっても開いている道ではありません。そして当然ながら、退職した会社に戻る権利が労働者にあるわけではありません。戻れるかどうかは、ポストが空いているか、退職時の関係が良好だったか、再雇用の仕組みがあるか、条件が折り合うかによります。
つまり、こう整理できます。「辞めたら二度と戻れない」は事実ではない。けれど「いざとなったら戻ればいい」も事実ではない。出戻りは、決断を軽くするための保険にはなりません。ただ、「取り返しがまったくつかない」という前提だけは、企業調査の数字が否定しています。想像していた壁より、少しだけ低いところに扉がある、という程度のことです。
動かなかった一年でも、条件は変わる
もうひとつ、天秤に載せておきたいものがあります。決断を先送りしたとき、状況が凍結されるわけではないという点です。求人の要件も、必要とされる経験も、ご自身の年齢も、今の職場での立ち位置も、一年経てば変わります。
ただしこれは「早くしないと手遅れになる」という話ではありません。残ることで得られるものもあります。昇進、新しい担当業務、勤続による信用、退職金の積み増し。これらは動かなかったからこそ手に入ります。大事なのは、「転職するリスク」と「転職しないリスク」を同じ紙に書くことです。片方だけを詳しく想像していると、当然そちらが重く見えます。
なお、年代が上がってから転職活動が思うように進まない場合、原因は年齢そのものではなく、どの段階で止まっているかによって違います。この点は40代女性の転職が決まらない|落ちる段階で原因を分ける4パターンで整理しています。
media.MOREARIAでは、迷いながら自分の歩幅で進んできた女性たちの物語を紹介しています。うまくいった話だけではありません。引き返した方も、途中で立ち止まった方もいます。決断の前後にある揺れごと残しているので、今まさに応募ボタンの前にいる方にこそ読んでいただけたらと思います。
よくある質問
この記事のテーマについて、よく寄せられる疑問をまとめました。
転職に失敗したら、もう取り返しがつかないのでしょうか?
失敗の中身によります。年収の低下は昇給や次の転職で水準を戻せますし、仕事内容のずれは確認や異動で調整できる場合があります。人間関係も、部署が変われば変わります。取り返しがつきにくいのは、前の会社を辞めたという事実そのものですが、それについても、企業の約4割が元社員を採用する仕組みを持っています。「取り返しがつかない」と感じるときは、その中身を具体的に書き出してみると、多くが修正可能な種類のものだと分かることがあります。
転職して後悔している方は、どのくらいいるのでしょうか?
「後悔した割合」を直接示す信頼できる最新調査は、確認できませんでした。参考になるのは、2025年に転職した方の今後1年以内の転職意向で、「転職したい」とする回答は全体で51.7%、女性では45.9%でした。ただしこれは後悔とは違います。転職は一度で終わりとは限らない、という程度に読むのが妥当です。
辞めた会社に戻ることはできますか?
制度としては存在します。2026年4月の企業調査では、元社員を採用する仕組みを実施している企業が43.6%ありました。ただし、ポストの有無や退職時の関係、条件の折り合いによるため、戻れることを前提に退職を決めるのは避けたほうがよいでしょう。
怖くて動けないまま、何年も経っています。
動けないこと自体を責める必要はありません。ただ、「動けない」の中身が、応募することへの恐れなのか、退職を伝えることへの恐れなのかで、次にすることが変わります。応募と面接の段階では、今の勤務先との雇用関係は変わりません。まず、恐れているのがどの地点なのかを分けてみてください。なお、在職中でもハローワークの求職登録や職業相談は利用できます。
まとめ
失敗が怖くて動けないとき、私たちは「失敗」という一語の中に、性質のまったく違うものを詰め込んでいます。開けてみれば、多くは修正できるものでした。そして、いま止まっている場所と、撤回が難しくなる場所も違っていました。厚生労働省が撤回の難しさを理由に慎重な検討を促しているのは、退職の意思表示についてです。
なお、ひとりで抱え込む必要もありません。在職中でもハローワークの職業相談は利用できますし、労働条件をめぐる不安があれば、都道府県労働局の総合労働相談コーナーで相談できます。
「転職の失敗」は一つではない。年収、仕事内容、人間関係、退職した事実は取り返しやすさが違う
応募・面接・内定・辞退の段階では、今の勤務先との雇用関係は変わらない
事前確認には限界がある。だからこそ入社後の撤退ラインを先に決めておく
転職するリスクと、転職しないリスクを、同じ紙に書く
あなたが今日感じている怖さは、慎重さの別の呼び名かもしれません。それは失うものが見えている方だけが持てる感覚です。ただ、その怖さがどの地点に向いているのかだけは、確かめておく価値があります。応募ボタンの上で止まっているのだとしたら、そこはまだ、今の場所を手放していない地点です。
参考資料
- マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」(2026年3月23日)
- マイナビ「2026年3月度 中途採用・転職活動の定点調査」(2026年4月30日)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 退職、解雇、雇止めなど」
- 厚生労働省「ハローワーク」
SUPERVISED BY
akina
MOREARIA 代表 / 編集長
MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。
Morearia
挑戦する女性たちの、隣に。
MOREARIAは、「挑戦する女性たちの次の一歩」に寄り添うウェブメディアです。あなたの一歩が、誰かの次の一歩になるかもしれません。
まずはご相談くださいフォームでのお問い合わせはこちらMOREARIAへの掲載費用はかかりますか?
掲載にあたっては、まずお気軽にお問い合わせください。費用やご協力内容については、個別にご相談のうえご案内しております。
取材やインタビューに興味がありますが、どこから連絡すればいいですか?
お問い合わせページよりご連絡ください。まずはお気軽にご相談いただけます。
記事に登場する方は、どのような方ですか?
キャリアや働き方、起業など、自分らしい選択をしてきた女性を中心にご紹介しています。特別な肩書きや実績よりも、リアルなストーリーを大切にしています。
Follow Us
フォローする














