女性の年収アップの方法|社内・転職・制度の5ルートと選び方

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女性の年収アップの方法|社内・転職・制度の5ルートと選び方

年数を重ねれば、いつか上がると思っていた。 でも女性の賃金は、45歳あたりで横ばいになります。 だからこそ、意図的に選ぶ。その5つのルートを整理しました。

2026-8-26

女性の年収アップの方法|社内・転職・制度の5ルートと選び方

この記事でわかること

  • 年収を上げる5つのルートと、それぞれ効果が出るまでの期間
  • いまの会社で上がる見込みがあるかを確認する3つの視点
  • 社内で上げるか、転職するかを比べるための手順
  • 教育訓練給付金など、使える公的制度と条件

年収を上げたい。そう思って調べ始めると、転職、資格、副業と選択肢が並びます。でも、自分にとってどれが現実的なのかが分からない。そのまま何も決められずに、また日常に戻る。

なお、この記事では勤務先から受け取る給与や賞与を増やす方法を中心に扱います。副業による収入アップは副業を何から始めるかをまとめた記事でお伝えしているので、そちらとあわせて考えてみてください。

同じところで止まっている女性は、決して少なくありません。そしてその迷いには、構造的な背景があります。

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、女性の賃金は45歳から49歳の305.7千円でピークに達し、その後はほぼ横ばいになります。20歳から24歳を100とすると127.6です。同じ指標で男性は181.4まで伸びます。年数を重ねるだけでは、女性の賃金は上がりにくい構造があるということです。

だからこそ、意図的に動く必要があります。この記事では、年収を上げる方法を5つのルートに整理し、自分に合うものをどう選ぶかまでお伝えします。読み終える頃には、次に確認することが決まっているはずです。

女性の年収アップの方法|5つのルートと期間の目安

まず全体像です。年収を上げる方法は、大きく5つに分かれます。

ルート具体策効果が出るまでの目安先に確認すること
現職で賃金を上げる定期昇給、評価アップ、昇格次の給与改定まで賃金テーブル、評価基準、昇格条件
現職で職務を変える社内公募、職種転換、役割変更数か月〜数年社内求人、異動条件、必要スキル
転職する同職種で上位企業、高賃金業界へ成立まで数か月(個人差大)市場相場、求人要件、職務経歴
雇用形態を変えるパート・有期から正社員、多様な正社員社内制度と募集時期次第正社員転換制度、勤務条件
スキルを賃金に変える資格手当、専門職化、担当業務の拡大数か月〜数年その資格を評価する職務があるか

このうち、どれか1つを選ぶ必要はありません。実際には複数を組み合わせることが多く、たとえば社内で昇格を狙いながら、外部の相場も確認しておく、という進め方が現実的です。

大切なのは、それぞれ効果が出るまでの期間が違うことです。定期昇給や評価による昇給は次の給与改定まで待つ必要があり、転職は成立まで数か月かかります。資格やスキルは、身につけてから収入に反映されるまでさらに時間がかかります。

なお、表の期間はあくまで目安です。会社の評価周期や採用活動の状況によって大きく変わるため、公的に定められた基準ではありません。

「年収」と「手取り」を混同しない

進める前に、言葉を整理しておきます。ここが曖昧だと、上がったのに実感がないという事態が起きます。

この記事で扱う年収は、1年間に勤務先から受け取る給与や賞与などの総額で、税金や社会保険料を引く前の金額です。手取りは、そこから差し引かれた後に実際に振り込まれる金額を指します。

年収が上がっても、社会保険料や税負担が増えるため、手取りは同じ割合では増えません。目標を立てるときは、額面で考えるのか、手元に残る金額で考えるのかを先に決めておくと、後でずれません。

定期昇給とベースアップは別のもの

もうひとつ、分けておきたい言葉があります。

定期昇給は、就業規則などで定めた制度に従って、一定の時期に賃金が増える仕組みです。ベースアップは、賃金表そのものを改定して水準を引き上げることを指します。

つまり、会社全体の賃上げと、自分の評価や等級による昇給は別の話です。「今年はベアがあったから昇給した」と思っていても、自分の等級が変わっていなければ、来年以降の伸びは同じ水準にとどまります。

自分の年収がどちらで動いたのかを確認しておくと、次に何をすべきかが見えてきます。

いまの会社で年収が上がるかを確認する

転職を考える前に、まず確認したいことがあります。いまの会社に、年収が上がる余地があるかどうかです。

厚生労働省の令和7年上半期雇用動向調査によると、転職した方のうち前職より賃金が増加したのは39.4%、変わらないが25.5%、減少が31.5%でした。しかも減少した割合は、前年の同じ時期より2.6ポイント上がっています。

つまり、転職すれば年収が上がるとは限りません。3人に1人近くは下がっています。だからこそ、辞める前に社内の見込みを確認する価値があります。

確認するのは、次の3つです。

  • 01

    賃金テーブルと等級

    いまの等級で基本給がどこまで上がるのか、次の等級ではいくらになるのかを確認します。就業規則や人事制度の資料に記載されていることが多く、人事に聞けば教えてもらえる会社もあります。

  • 02

    評価制度と昇格の条件

    何を達成すれば評価が上がるのか。成果、能力、役割、行動のどれが給与に連動しているのかを確認します。次の等級に必要な条件が明文化されているかどうかが分かれ目です。

  • 03

    実際の昇格実績

    制度上は可能でも、実際に昇格している方がいるかは別問題です。とくに女性や時短勤務者の昇格実績があるかを見ておくと、現実的な見通しが立ちます。

3つ目が、いちばん見落とされます

制度があることと、運用されていることは違います。

たとえば「管理職への昇進制度はある」と言われても、直近5年で女性の管理職が1人も出ていないなら、その道は事実上開かれていない可能性があります。

社内で確認しにくい場合は、外から調べる方法があります。2026年4月1日施行の改正女性活躍推進法により、常時雇用する労働者が101人以上の企業には、男女間の賃金差異と女性管理職比率の公表が義務づけられました。厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースで、企業ごとに確認できます。

ただし、賃金差異という1つの数字だけで判断しないでください。厚生労働省も、差異の要因となる労働者に占める女性割合、管理職に占める女性割合、平均継続勤務年数などを併せて見るよう案内しています。女性の新卒採用を強化した結果、相対的に賃金の低い層が増えて、数字上の格差が大きく見える企業もあるためです。

確認しても分からないときの聞き方

制度の資料が見つからない場合は、上司や人事に聞くことになります。ただ「給与を上げてほしい」と伝えると、話が止まりやすくなります。

聞き方を変えます。「次の等級に上がるために必要な条件を知りたい」「今の私に不足している項目はどれですか」。この形なら、相手も具体的に答えられます。

そして、答えが返ってきたら記録に残します。次回の評価面談で、その条件を満たしたかどうかを確認する材料になるからです。

社内と転職、2つのルートを同時に見積もる

社内の見込みが分かったら、次は外の相場です。ここで大事なのは、辞めると決めてから調べるのではなく、在職中に確認しておくことです。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、職業ごとの年収、年齢別の年収、求人賃金、労働時間、必要な知識やスキル、有効求人倍率を確認できます。年収データは令和7年賃金構造基本統計調査をもとに更新されています。

これを使うと、いまの年収が低い理由を切り分けられます。同じ職種の相場より自分が低いなら、評価や会社の問題かもしれません。職種そのものの水準が低いなら、職種を変える検討が必要になります。

比べる項目社内で上げる場合転職する場合
1年後の年収次の等級に上がった場合の基本給現実的に提示される想定額
到達までの条件昇格に必要な成果・役割求人の応募要件と不足スキル
時間軸次回の評価・給与改定まで応募から入社まで数か月
失うものなし(現状維持のリスク)現在の制度・人間関係・勤続年数
確認先就業規則、人事、上司job tag、求人票、企業データベース

そもそも転職活動そのものの進め方に迷っている場合は、転職を何から始めればいいかを整理した記事もあわせて読んでみてください。

比べるのは「いまの年収」と「求人の最高額」ではありません。「社内で1年後に到達できる年収」と「転職した場合に現実的に提示される年収」です。この2つを並べて初めて、判断ができます。

求人票の年収レンジは、上限を見ない

ここで気をつけたいのが、求人票の読み方です。

「年収360万円から550万円」と書かれていても、自分が550万円で採用されるとは限りません。一般に、上限額は求められる経験やスキルを高い水準で満たす場合などに提示されるもので、レンジの設定方法は企業によって異なります。経験年数や担当範囲が求人の想定より少なければ、下限に近い金額になることもあります。

読むときは、上限ではなく下限を基準にしてください。そして、基本給、賞与の算定方法、固定残業代の有無、各種手当、昇給の実績まで確認します。同じ「年収500万円」でも、固定残業代が含まれているかどうかで、実際の条件はまったく変わります。

転職で年収が下がる可能性を考慮したいケース

31.5%という数字は、下がった理由までは示していません。ここからは、条件面から考えられるケースとして整理します。

年収が下がる可能性を考慮したいのは、未経験の職種へ移る場合、勤務時間を大きく減らす場合、役職を外れる場合、賞与や手当が厚い会社から基本給中心の会社へ移る場合です。

逆に、いまの給与が同職種の相場を下回っている場合や、すでに持っている経験がそのまま評価される場合は、上がる余地があると考えられます。

自分がどちらに近いかを、応募する前に見ておく。それだけで、期待と現実のずれが減ります。

なお、一時的に下がっても長期で回収できるケースもあります。未経験の職種に移った直後は年収が下がっても、3年後の水準が前職より高くなる見込みがあるなら、判断は変わります。目先の1年だけで比べないことも大切です。

スキルと制度を使って上げる

3つ目のルートが、スキルや資格です。ただしここは、順番を間違えると時間とお金を無駄にします。

資格を選んでから仕事を探すのではなく、目指す職種を決めてから必要なものを逆算します。順番はこうです。

  • 01目標とする職種を決める
  • 02その職種の求人要件を調べる
  • 03いまの自分に足りないものを特定する
  • 04それを埋める学習方法を選ぶ

job tagで職業ごとに必要な知識やスキルを確認できるので、2つ目のステップで使えます。

資格が年収に直結する場合と、しない場合

同じ資格でも、収入に反映されるかどうかは状況によって変わります。

直結しやすいのは、その資格がないと就けない職務がある場合、就業規則で資格手当が定められている場合、求人の応募条件になっている場合です。

直結しにくいのは、資格を取っても仕事内容や等級が変わらない場合、会社が手当や昇格要件として評価していない場合、求人側が資格ではなく実務経験を求めている場合です。

だから「人気の資格ランキング」から選ぶのは、順番が逆になります。まず求人票を見て、応募条件に何が書かれているかを確認してください。

これまでの経験の中に、職種が変わっても持ち運べるスキルが眠っていることもあります。持ち運べるスキルの見つけ方をまとめた記事もあわせて読んでみてください。

使える公的制度は3つあります

学習にかかる費用や時間は、公的制度で軽くできる場合があります。あまり知られていないものも含めて、3つ挙げておきます。

ひとつ目が、教育訓練給付金です。厚生労働大臣が指定した講座を受けると、受講費用の一部が支給されます。専門実践教育訓練の場合、まず受講費用の50%が支給され、修了後に資格を取得して就業するなどの条件を満たすと70%まで再計算されます。さらに2024年10月以降に開始した対象講座では、訓練修了後の賃金が受講前より5%以上上がった場合、80%まで給付されます。

ふたつ目が、教育訓練休暇給付金です。2025年10月に始まった制度で、会社を辞めずに連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取った場合、離職したときの基本手当に相当する額が支給されます。ただし、会社に教育訓練休暇の制度があり、事業主との合意が必要です。誰でも自動的に使えるわけではありません。

みっつ目が、育児時短就業給付金です。2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている一定の雇用保険被保険者に対して、原則として各月に支払われた賃金額の10%が支給されます。時短による収入の減少を、一定程度補う制度です。

雇用形態から上げるという選択肢

もうひとつ、見落とされやすいルートがあります。雇用形態を変えることです。

パートタイム・有期雇用労働法では、同じ会社の正社員とパート・有期雇用労働者の間で、基本給や賞与などについて不合理な待遇差を設けることを禁止しています。そして、非正規雇用で働く方は、正社員との待遇差の内容とその理由について、会社に説明を求めることができます。

さらに同法13条では、事業主に対して、正社員募集の周知、正社員配置への応募機会の付与、転換試験の実施など、通常の労働者への転換を推進する措置を少なくとも1つ講じることを義務づけています。

ただし、これは「同じ仕事をしていれば正社員になれる」という制度ではありません。転換の機会を設ける根拠であって、本人が正社員化を請求できるものではない点は、正確に理解しておく必要があります。

無期転換は、正社員化とは別のもの

混同されやすいので、ここも分けておきます。

有期契約が同じ会社との間で5年を超えて更新された場合、一定の要件のもとで、本人の申込みにより無期契約へ転換できる無期転換ルールがあります。

けれど、無期雇用になることと正社員になることは別です。無期転換で変わるのは契約期間の定めがなくなることであり、給与や待遇が正社員と同じになるわけではありません。

また、勤務地や勤務時間、職務を限定した「多様な正社員」という区分を設けている会社もあります。フルタイムの正社員が難しい場合でも、選択肢がゼロとは限りません。

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女性の年収アップに関するよくある質問

ここまでの内容で残りやすい疑問を、3つ整理しました。

転職と社内での昇給、どちらを先に検討すべきですか?

まず社内の見込みを確認することをおすすめします。転職した方のうち31.5%は賃金が減少しており、転職が自動的に年収アップにつながるわけではないためです。賃金テーブル、評価制度、昇格実績の3つを確認して、1年後に到達できる年収が見えたら、それと転職市場の相場を比べてください。

資格を取れば年収は上がりますか?

資格そのものより、その資格が仕事につながるかどうかで決まります。資格手当が就業規則にある、応募条件になっている、その資格がないと就けない職務がある。このいずれかに当てはまらない場合、取得しても収入に反映されないことがあります。学び始める前に、求人票の応募条件を確認してください。

時短勤務中でも年収を上げる方法はありますか?

フルタイムに戻ることだけが方法ではありません。時短のまま等級や職務を上げられるかを確認する、時短でも担当できる専門性の高い職務へ移る、といったルートがあります。また2歳未満の子を養育している場合は、育児時短就業給付金で賃金の10%が支給される制度もあります。

まとめ|方法を選ぶ前に、上がる構造を確認する

女性の年収アップは、方法を知ることより、自分に合うルートを選ぶことのほうが難しいところです。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。

  • 年数を重ねるだけでは上がりにくい。だからこそ意図的に動く必要がある

  • 転職した方の31.5%は賃金が減少している。辞める前に社内と外の両方を確認する

  • 資格は「取ってから探す」ではなく、求人要件から逆算して選ぶ

  • 教育訓練給付金、教育訓練休暇給付金、育児時短就業給付金という公的制度がある

今日できるのは、いまの等級で基本給がどこまで上がるのかを調べることだけで十分です。就業規則を開く、人事に聞く、どちらでもかまいません。上がる余地がどこにあるかが分かれば、次に動く方向が決まります。あなたの歩幅で大丈夫です。

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akina

MOREARIA Inc. 代表 / MOREARIA編集長

MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。

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