この記事でわかること
- 企業の公開情報で確認できる4つの数字
- 全国平均と比べるための具体的な目安ライン
- えるぼし・くるみん認定の調べ方と使い方
- 面接で確認できる質問と、その聞き方
求人票に「女性も活躍中」「育休取得実績あり」と書かれていても、それが自分にとって働きやすい会社かどうかは分からない。そんなもどかしさを感じたことはありませんか。
実は今、企業が公開している数字を見れば、かなりのことが判断できるようになっています。女性活躍推進法の改正により、多くの企業が女性管理職比率や育休取得率、男女の賃金差異を公表する義務を負っているからです。
この記事では、女性が働きやすいホワイト企業を見分けるために、どの数字をどう読めばいいかを整理します。「なんとなく良さそう」ではなく、根拠を持って比べられる状態を目指します。応募前でも確認できることばかりなので、気になる企業から試してみてください。
女性のホワイト企業選びで確認する4つの数字
まず押さえたいのは、比較の基準になる全国平均です。数字だけを見ても高いか低いか判断できないので、平均値を知っておくと読み解けるようになります。
厚生労働省の令和5年度「雇用均等基本調査」(企業調査3,043社・事業所調査3,495事業所)によると、全国平均は次のようになっています。
- 01
女性管理職比率(課長相当職以上)
全国平均は12.7%。役員では20.9%、部長相当職7.9%、課長相当職12.0%、係長相当職19.5%と、役職が上がるほど下がる傾向があります。
- 02
女性の育児休業取得率
全国平均は87.6%。取得できる環境が整っているかどうかの指標になります。
- 03
男性の育児休業取得率
全国平均は30.1%。この数字が高い企業は、育児と仕事の両立を性別問わず支援する文化がある可能性が高くなります。
- 04
男女の賃金の差異
常用労働者301人以上の企業には公表が義務づけられています。職種構成の影響も受けるため、数字だけでなく企業側の説明も併せて確認します。
なお、情報公表の義務対象となる企業規模は段階的に拡大しています。応募先が対象かどうかは、厚生労働省のサイトで最新の要件を確認してみてください。
数字を読むときの注意点
これらは「この数字を超えていればホワイト」という基準ではありません。業種や企業規模によって傾向が大きく異なるからです。
大切なのは、同業種・同規模の企業と比べたときにどうかという視点です。また、女性比率が高くても管理職はほぼ男性という企業もあるため、複数の数字を組み合わせて見てください。
公開情報の調べ方|3つの入り口
女性活躍に関する情報は、決まった場所に公開されています。探し方さえ分かれば、応募前に確認できます。
厚生労働省が2023年12月から2024年1月にかけて実施した「女性活躍に関する調査」(有効回答2,738社)では、従業員301人以上の企業の約93%が一般事業主行動計画を策定済みでした。100〜299人の企業でも約77%が策定しています。多くの企業で、確認できる情報が公開されているということです。
- 01
企業のコーポレートサイト
「女性活躍」「ダイバーシティ」「採用情報」のページに、「女性活躍推進法に基づく情報公表」としてPDFや表で掲載されていることが多くあります。企業名と「女性活躍推進法 情報公表」で検索する方法もあります。
- 02
女性の活躍推進企業データベース(厚生労働省)
企業名で検索すると、一般事業主行動計画の有無、数値目標、情報公表項目をまとめて確認できます。複数社を比較したいときに便利です。
- 03
認定企業の一覧ページ
えるぼし認定・くるみん認定を受けた企業は、厚生労働省のサイトで一覧から検索できます。業種や所在地でも絞り込めます。
情報公表の「量」も判断材料になる
同じ調査では、情報公表項目が多い企業ほど女性の採用や活躍が進んでおり、離職率の低下や職場の活性化にもよい影響が見られると分析されています。
つまり、最低限の項目しか出していない企業と、多くの項目を積極的に開示している企業では、姿勢そのものが違う可能性があります。数字の中身だけでなく、どれだけ開示しているかにも目を向けてみてください。
えるぼし・くるみん認定の使い方
認定の有無は、外形的な判断材料のひとつとして使えます。ただし「認定があれば安心」ではないので、位置づけを理解しておきましょう。
えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づいて行動計画を策定し、女性管理職比率や女性採用比率、継続就業年数、労働時間などが一定基準を満たした企業に与えられます。認定は3段階あり、3段階目が最上位です。
くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づくもので、育児休業取得率や子育て支援制度の整備、働き方の柔軟性などが評価されます。
認定を「入口」として使う
認定は申請した企業だけが対象なので、認定がない企業が働きにくいとは限りません。申請していないだけの場合もあります。
一方で、認定を取得している企業は、少なくとも制度面を整えて外部の審査を通っているという事実があります。候補を絞る入口として使い、そこから個別の数字を確認していく流れが現実的です。
MOREARIAでは、働き方を選び直してきた女性たちのインタビューを掲載しています。制度や数字だけでは見えてこない、実際に働く方の物語が、あなたの判断のヒントになるかもしれません。
面接で確認できる5つの質問
公開情報で分からない部分は、面接で確認できます。聞き方を工夫すれば、失礼にならずに実態を知ることができます。
- 01女性の平均勤続年数について
- 02育休からの復職事例
- 03柔軟な働き方の利用状況
- 04男女賃金差異の背景
- 05女性管理職の昇進経路
平均勤続年数は「御社の女性の平均勤続年数を伺ってもよろしいでしょうか」と聞けば、長く働けているかの実態が分かります。復職事例は「育児休業から復職された方の、その後のキャリアパスの例を教えていただけますか」と尋ねると、制度の有無ではなく運用が見えてきます。
柔軟な働き方については「フレックスや時短、在宅勤務の利用者数や割合を伺いたいです」と確認します。制度があっても使われていない場合があるため、利用実績を聞くことが大切です。
賃金差異は「情報公表を拝見しましたが、差異の背景や今後の方針をお聞きしてもよいでしょうか」と聞くと、数字の理由が分かります。昇進経路は「女性の管理職の方は、どのようなキャリアを経て昇進されていますか」と尋ねれば、ロールモデルの有無が見えてきます。
聞きにくさを減らす伝え方
批判ではなく「確認したい」「理解したい」というトーンで聞くのがポイントです。
「御社の情報公表を拝見して」と前置きすると、事前に調べてきたという姿勢が伝わり、質問が自然になります。企業側にとっても、関心を持って調べてきた候補者という印象になります。
女性のホワイト企業選びに関するよくある質問
企業選びの段階で多く寄せられる疑問をまとめました。
情報公表がない企業は避けたほうがいいですか?
常用労働者100人以下の企業は公表が努力義務のため、規模が小さいだけの場合もあります。企業規模を確認したうえで判断してください。
女性管理職比率が低い企業は働きにくいですか?
業種によって差が大きいため、一律には言えません。同業種の平均と比べる、行動計画に数値目標があるかを見るといった方法があります。
口コミサイトの情報はどこまで信じていいですか?
投稿者の立場や在籍時期によって内容が変わるため、参考程度にとどめてください。公開データと組み合わせて判断するのが現実的です。
まとめ|数字で比べれば、判断の根拠が持てる
「女性も活躍中」という言葉ではなく、公開されている数字を見ることで、比較できる状態になります。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
全国平均は女性管理職12.7%、女性育休87.6%、男性育休30.1%
情報は企業サイト・厚労省データベース・認定企業一覧で確認できる
情報公表の項目数の多さも、企業の姿勢を示す判断材料になる
公開情報で分からない部分は、面接で確認できる
すべてを一度に調べる必要はありません。気になっている企業を1社選んで、情報公表のページを開いてみる。それだけでも、あなたの選択肢は確実に増えます。あなたの心地よい一歩を、応援しています。
SUPERVISED BY
akina
MOREARIA Inc. 代表 / MOREARIA編集長
MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。
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