この記事でわかること
- 結婚後も働きたい女性はどのくらいいるのか
- 結婚後に選べる7つの働き方と、それぞれの違い
- 収入・時間・安定性・キャリア継続から働き方を比較する方法
- 自分に合う働き方を選ぶための3つの判断軸
- 出産・育児も見据えて確認しておきたい2026年時点の制度
「結婚したら、このまま正社員を続けるべき?」「家庭を優先した方がいい?」「今より働きやすい会社へ転職した方がいいのかな」。結婚をきっかけに、これまで当たり前だった働き方を見直したくなる女性は少なくありません。
Job総研「2022年 女性のワークライフ実態調査」では、20〜50代の社会人女性158人のうち、「結婚後も働きたい」と答えた女性は74.1%でした。理想の将来像として「共働き」を選んだ女性も71.5%です。
つまり、「結婚しても仕事を続けたい」と考えること自体は珍しくありません。ただし、働き続けたいことと、今とまったく同じ働き方を続けることは別です。正社員を続ける、勤務時間を変える、転職する、パートになる、副業を始める、独立する、一度仕事を離れる。選択肢を並べてみると、「続けるか、辞めるか」の二択ではないことが分かります。
この記事では、結婚後に女性が選べる7つの働き方を比較しながら、調査データや制度も確認し、「自分の場合はどう選ぶか」まで整理します。
結婚後の働き方に「唯一の正解」はない
正社員を続けることだけが正解でも、家庭を優先することが間違いでもありません。
結婚後に何を大切にしたいかは、人によって違います。収入を維持したい方もいれば、家族との時間を増やしたい方もいます。仕事そのものは好きでも、長時間勤務や通勤が生活と合わなくなることもあるでしょう。
さらに、今決めたことが5年後も同じとは限りません。妊娠・出産、育児、パートナーの転勤、親の介護、自分自身の体調など、生活の条件は変わります。
だから最初に決めたいのは、「一生どう働くか」ではありません。今の生活で何を守りたいのか、そのためにどの働き方が合っているのかです。
結婚後に女性が選べる7つの働き方
結婚後の働き方は、大きく7つに整理できます。どれか一つが優れているのではなく、収入・時間・安定性・自由度・キャリアの続けやすさなど、得られるものがそれぞれ違います。
1.今の会社で正社員を続ける
現在の仕事や職場に大きな不満がないなら、今の会社で正社員を続ける方法があります。収入や社会保険、これまで積み上げてきた経験を維持しやすく、転職活動を一から始める必要もありません。
ただし、「仕事は今まで通り、家事だけ増える」という状態になると負担は大きくなります。仕事を続けられるかだけではなく、パートナーと家事をどう分けるのか、将来育児が始まった場合にどうするのかまで確認しておくことが大切です。
2.時短勤務・部署異動などで負担を調整する
会社を辞めずに、勤務時間や仕事内容を調整する方法です。今までの経験や雇用を残しながら、生活とのバランスを取りやすくなります。
確認したいのは、「制度が書かれているか」だけではありません。実際に利用している社員がいるか、利用後の仕事内容や評価がどうなるかまで確認すると、制度と実態のギャップを減らせます。
出産・育児を見据えている場合は、会社独自の制度だけでなく、育児・介護休業法に基づく制度も確認しましょう。2026年時点では、3歳未満の子を養育する一定の労働者を対象に、事業主が短時間勤務制度を設ける仕組みがあります。
さらに2025年10月からは、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者について、事業主が5つの措置から2つ以上を選んで用意し、労働者がその中から利用する措置を選べる「柔軟な働き方を実現するための措置」が始まっています。詳しくは厚生労働省の案内で確認できます。
3.家庭と両立しやすい会社へ転職する
仕事内容よりも「今の会社では続けにくいこと」が問題なら、転職も選択肢になります。在宅勤務、フレックスタイム、残業時間、休暇制度など、生活に合わせた条件から求人を見る方法です。
ただし、「結婚したから転職しなければ」と急ぐ必要はありません。まず、今の会社で変えられることと、会社を変えなければ解決できないことを分けてみましょう。
たとえば仕事内容は好きなのに通勤だけが負担なら、在宅勤務や勤務地変更で解決できるかもしれません。反対に、長時間労働や働き方そのものが変えられないなら、環境を変える方が現実的なケースもあります。
4.パート・契約社員など勤務時間を抑えて働く
勤務時間や日数を減らし、家庭に使える時間を増やす選択です。仕事を完全に離れず、一定の収入や社会とのつながりを残しやすいメリットがあります。
一方で、収入だけでなく雇用条件や将来の働き方にも影響する可能性があります。「今は楽になるか」だけではなく、3年後・5年後にどの程度働きたいかまで考えて選ぶことが大切です。
5.フリーランスとして働く
Webライティング、デザイン、マーケティングなど、自分のスキルを使って仕事を受ける方法です。仕事量や働く場所を調整しやすい反面、会社員のように毎月同じ収入が保証されるわけではありません。
自由度だけを見て決めず、「どの仕事で収入を作るのか」「仕事が少ない月でも家計が回るか」まで確認しておきましょう。いきなり退職するのではなく、副業として試してから移行する方法もあります。
6.本業を続けながら副業を始める
今の仕事を続けながら、新しい仕事やスキルを小さく試す方法です。「働き方は変えたい。でも、いきなり転職や独立するのは不安」という方にも選びやすい形です。
副業を通して、「この仕事をもっと続けたい」「思っていたより合わなかった」と判断する材料も増やせます。将来の転職や独立を決めるための、小さな実験として使う考え方もあります。
7.一度仕事を離れて家庭を優先する
一度仕事から離れ、家庭に軸足を置く選択もあります。今の時期に家庭を優先することに自分自身が納得できるなら、それも選択肢の一つです。
ただし、「今は辞めたい」と「もう働かない」は同じではありません。将来また働く可能性があるなら、学習を続ける、人とのつながりを残す、短時間でも仕事に触れるなど、戻れる道を完全には閉じない方法もあります。
7つの働き方を比較|収入・時間・安定性はどう違う?
選択肢を知っても、「結局どれが自分に合うの?」と迷うかもしれません。そこで、一般的な特徴を4つの軸で整理しました。
| 働き方 | 収入の維持しやすさ | 時間の調整 | 安定性 | キャリア継続 |
|---|---|---|---|---|
| 正社員を継続 | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
| 時短・部署異動 | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| 転職 | △〜○ | ○ | ○ | ○ |
| パート・契約社員 | △ | ◎ | △ | △ |
| フリーランス | △〜◎ | ◎ | △ | ○ |
| 副業 | 本業+α | △ | ○〜◎ | ◎ |
| 一時離職 | × | ◎ | ― | △ |
※MOREARIA編集部が一般的な傾向をもとに整理した目安です。実際の収入・勤務条件・安定性・キャリアへの影響は、職種・勤務先・契約形態・本人の状況によって異なります。副業の「安定性」は本業を継続する場合を前提としています。
ポイントは、すべてが◎の働き方を探すことではありません。今の自分が一番守りたい条件を決めることです。
データで見る「結婚後も働きたい女性」の現実
結婚後も働きたいと考える女性は珍しくありません。Job総研「2022年 女性のワークライフ実態調査」では、20〜50代の社会人女性158人のうち、「結婚後も働きたい」と回答した女性は74.1%でした。「共働き」を理想とした女性も71.5%でした。
ただし、これは158人を対象とした民間調査です。74.1%をすべての女性にそのまま当てはめるのではなく、「結婚後も働きたいと考える女性が多いことを示す一つの調査結果」として捉えるのが適切です。
一方、厚生労働省が2006年11月1日に実施した「第5回21世紀成年者縦断調査」では、この4年間に結婚し、結婚前に仕事をしていた女性のうち、49.8%が同じ仕事を継続、12.7%が転職、32.1%が離職していました。
NOTE
「第5回21世紀成年者縦断調査」は厚生労働省が2006年11月1日に実施した調査です。約20年前のデータであり、現在の労働環境をそのまま表す数字ではありません。「働きたいという希望」と「同じ職場・同じ条件で働き続けられるか」は別の問題であることを考えるための過去データとして参照しています。
また、株式会社プラコレが20〜30代女性640人を対象に行った2020年の調査では、結婚を機にワークバランスについて「考えた」女性は66%でした。640人のうち298人は「仕事と家庭について悩んだ」と回答しています。
数字から見えてくるのは、「結婚後も働くかどうか」だけではありません。結婚をきっかけに、多くの女性が働く時間・場所・収入・家庭とのバランスを改めて考えているということです。
自分に合う働き方をどう選ぶか
状況別|こんな女性はどの働き方から考える?
収入をできるだけ落としたくない
まずは正社員を続けたまま、勤務時間・在宅勤務・部署異動などで調整できないか確認します。環境だけが合っていないなら、待遇を大きく落とさずに転職できる求人を探す方法もあります。
近い将来、出産や育児も考えている
給与だけではなく、育児休業、短時間勤務、残業、在宅勤務、フレックスタイムなどを確認しましょう。制度名があるだけで判断せず、実際に利用されているかまで確かめることが重要です。
パートナーの転勤がありそう
勤務地に依存しにくい仕事を作れるかが判断材料になります。在宅勤務が可能な会社、全国に拠点がある会社、オンラインでできる副業やフリーランスなども候補になります。
今の会社が激務で、このまま続けるのがつらい
「結婚後だから仕事を変える」のではなく、今の仕事そのものと職場環境を分けて考えてみましょう。仕事内容が好きなら異動や会社変更で改善する余地があります。仕事内容そのものが合っていないなら、転職や学び直しまで含めて考える必要があります。
結婚後の働き方を決めにくくする3つの壁
- 01
家庭内の価値観
共働きを希望していても、家事や将来の育児について夫婦の前提が違えば、負担が一方に偏ることがあります。「働くかどうか」だけではなく、家事・育児・家計を誰がどう担うのかまで話す必要があります。
- 02
職場の環境や制度
制度があっても使いにくい、長時間労働が変わらない、急な休みに対応しにくいなど、個人の努力だけでは解決できない問題があります。その場合は、異動や転職を含めて環境を見直す視点が必要です。
- 03
将来のキャリアへの不安
「一度仕事を離れたら戻れないのでは」「収入を下げたら元に戻せないのでは」という不安も判断を難しくします。だからこそ、今の選択だけでなく、数年後にもう一度選べる状態を残しておくことが大切です。
後悔しない働き方を選ぶ3つの判断軸
- 01
「今、一番守りたいもの」を決める
収入、時間、安定、やりがい、家族との時間。全部を同時に最大化しようとすると、何も決められなくなります。まずは今の生活で、一番失いたくないものを一つ決めてみましょう。
- 02
家計と家事分担を「数字と役割」で確認する
「なんとかなる」ではなく、収入が月いくら変わるのか、固定費はいくらなのか、家事や将来の育児を誰が担当するのかまで具体化します。働き方を女性一人だけの問題にしないことが重要です。
- 03
「選び直せる道」を残す
今決めた働き方を一生続ける必要はありません。退職するなら学習や人とのつながりを残す。転職するなら次にも使える経験を積む。副業なら小さく実績を作る。数年後に動ける余白を残しておくと、今の判断もしやすくなります。
結婚後の働き方は、「一度決めたら終わり」ではありません。生活も価値観も変わります。そのたびに見直していいものです。
「働き方」ではなく、キャリアそのものに迷っている場合は?
ここまで読んで、「勤務時間や雇用形態より、これから自分がどんな仕事をしていきたいのかが分からない」と感じた方もいるかもしれません。その場合は、「働き方」と「キャリア」を分けて考えると整理しやすくなります。
正社員・時短・転職・パートなど、具体的な勤務形態を考えたい場合はこの記事で整理できます。一方、結婚後にどんな仕事やキャリアを築いていくかそのものに迷っている場合は、結婚後のキャリアはどうする?女性がこれからの仕事を考えるヒントを参考にしてください。
働き方は、最初から理想の形が見つかるとは限りません。MOREARIAでは、転職や子育て、介護など、生活の変化を経験しながら働き方を選び直してきた女性たちを取材しています。誰かと同じ選択をする必要はありません。実際の女性が「何を選んだか」だけではなく、なぜその選択をしたのかを見ることで、自分の判断軸を考えるヒントになります。
結婚後の働き方に関するよくある質問
結婚後も正社員を続けた方がいいですか?
必ずしも正社員を続けることが正解ではありません。収入、勤務時間、家庭での役割、今後の希望を比較し、自分たちの生活に合う形を選ぶことが大切です。
結婚を機に転職しても大丈夫ですか?
転職も選択肢の一つです。ただし、結婚したことだけを理由に急いで転職するのではなく、今の会社で変えられることと、環境を変えなければ解決できないことを整理してから判断しましょう。
仕事を辞めると再就職しにくくなりますか?
ブランクの長さ、職種、経験などによって状況は異なります。将来また働きたい場合は、学習を続ける、人とのつながりを残す、小さく仕事を続けるなど、復帰しやすい状態を作っておく方法があります。
夫婦で働き方について意見が合いません。
「働く・働かない」だけで話すのではなく、家計、家事、将来の育児、使える時間まで具体化してみてください。意見の違いの背景にある不安や希望が分かると、合意できる部分が見つかることがあります。
扶養に入るか、気にせず働くか迷っています。
家庭の収入、勤務条件、社会保険、将来の働き方によって判断は変わります。「いくらまで働けば得か」という一点だけで決めず、今後どの程度働きたいかまで含めて考えましょう。制度は変更されることがあるため、判断時点の公的な最新情報を確認してください。
自分に合う働き方が分かりません。
まず「収入」「時間」「安定」「やりがい」「家族との時間」の5つを並べ、今一番守りたいものを一つ選んでみてください。条件の優先順位が決まると、候補となる働き方も絞りやすくなります。
まとめ|結婚後の働き方は、何度でも選び直せる
結婚後も働きたい女性は少なくありません。そして、働き続ける方法も一つではありません。
Job総研の調査では、結婚後も働きたい女性は74.1%
正社員継続から一時離職まで、働き方は7つに整理できる
収入・時間・安定性・キャリア継続の違いを比べて選ぶ
家計と家事分担まで具体化して考える
今の選択を一生の決定にせず、選び直せる道を残しておく
「これからずっと、どう働くか」を今日すべて決める必要はありません。まずは、収入・時間・安定・やりがい・家族との時間の中から、今の自分が一番大切にしたいものを一つ書き出してみてください。
その一つが決まれば、選択肢を見る基準ができます。そこから、自分の歩幅で次の一歩を選んでいきましょう。
参考資料
- Job総研「2022年 女性のワークライフ実態調査」2022年
- 厚生労働省「第5回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況」2006年11月1日実施
- 株式会社プラコレ「結婚後のワークバランス」に関する調査 2020年
- 厚生労働省「短時間勤務等の措置」
- 厚生労働省「柔軟な働き方を実現するための措置」
SUPERVISED BY
akina
MOREARIA Inc. 代表 / MOREARIA編集長
MOREARIA編集長。「やりたいことはあるけど、踏み出せない」女性に向けて、挑戦する人たちのリアルな物語と、自分らしい一歩を考えるきっかけを届けるメディアを運営。マーケティング支援事業や実践型スクール「MOREARIA LAB」も展開している。
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